1位は全国でも珍しい「餅の入らない」ユニークなお雑煮⁉

続いては「味の想像がつかないお雑煮ランキング」です。6位以下はこちら。名前からは想像できない、地域ごとのくらしの知恵と魅力が詰まったお雑煮がランクインしています!

10位 ブリ雑煮  (岡山県)
9位 白みそ煮  (京都府)
8位 すまし雑煮 (島根県)
7位 焼きハゼ雑煮(宮城県)
6位 くじら雑煮 (青森県)

では、1位~5位にはどんな雑煮がランクインしているのでしょうか?

5位 くるみ雑煮 (岩手県)

何とこちらも5位は「くるみ」がランクイン。三陸海岸の宮古地方で親しまれる、おもてなし料理のひとつです。煮干し出汁に焼いた角餅を入れた醤油仕立てのお雑煮は、鶏もも肉や高野豆腐、大根、人参、イクラなど具だくさん。

お雑煮の出汁が染みこんだ餅をそのまま味わうのはもちろん、くるみだれをからめて食べると甘じょっぱさが加わり、2種類の味を楽しめます【画像⑥】。

【画像⑥】画像提供:岩手県

4位 きなこ雑煮 (奈良県)

白みそ仕立てで丸餅が入るお雑煮ですが、奈良県では、きなこが添えてあるのが特徴。餅を取り出して砂糖入りのきなこに絡めて食べる地域が多いようです。

きなこの黄色は米の豊作を願うといわれ、一年間、家族円満に過ごせるように願いを込めて、餅は丸餅、野菜類も輪切りにして入れています【画像⑦】。

【画像⑦】画像提供:NPO法人奈良の食文化研究会

3位 はば雑煮 (千葉県)

九十九里地域(山武郡市)や市原市で主に食べられる珍しいお雑煮。波葉(はば)は、もともとアサクサノリの代用品として地元の漁師たちに食されるのりで、ほとんど市場には出回ることのないご当地食材です。

この“はばのり”を入れた「はば雑煮」を年の初めに食べると、「一年中幅を利かすことができる」ため縁起がよいとされ、地元の正月料理になったということです【画像⑧】。

【画像⑧】画像提供:農林水産省「うちの郷土料理」

2位 あんもち雑煮 (香川県)

いりこのだし汁であん餅を煮て、白みそで仕立てたお雑煮。家庭円満の願いを込めた丸い輪切りの大根や金時人参が入り、あん餅から小豆あんが溶け出して、塩味と甘みのバランスが独特のおいしさを生み出します。

年に一度、正月の特別な料理としてお雑煮に貴重な砂糖を使用したのが始まりともいわれています【画像⑨】。

【画像⑨】画像提供:香川県農政水産部農業経営課

1位 うちがえ雑煮 (徳島県)

全国でも珍しい餅の入らないユニークなお雑煮。徳島県三好市祖谷地方で食され、餅の代わりに岩豆腐とよばれる大きくて硬い豆腐を入れるのが特徴的。2つの豆腐をお椀の上に十字に重ねる様子は圧巻のひとこと。

食料を保存するのが難しかった時代に、水分の少ない岩豆腐は日持ちする食料として好まれたことから、祝い事や正月などのハレの日に作られるものだったそうです【画像⑩】。

【画像⑩】画像提供:三好市観光協会

今年の年越しそば(うどん)・来年のお雑煮に迷われている方は如何でしょうか。