「野良キウイ」の広がりで自然環境への影響が懸念

野良キウイがみられるのは西予市に限りません。キウイ畑が点在する松山市の山間部でも、道路わきや川のほとりに野良キウイが実をつけていました。野良キウイが広がることで、自然環境への影響が懸念されています。

専門家が指摘する問題の一つが「キウイフルーツかいよう病」の感染源となる危険性です。愛媛県内では2014年に大流行し、感染した木を伐採するなど大きな被害が出ました。

農家が管理するキウイ畑では、感染防止のために定期的な消毒を行っていますが、野良キウイは野放しです。キウイの栽培がさかんなニュージーランドでは、対策として野良キウイの管理を実施しているということです。

もう一つは、野山に自生するサルナシなど、キウイの仲間の在来植物と野良キウイの交雑の問題です。

松山東雲短大 松井宏光名誉教授
「日本在来のサルナシとかマタタビとかあるんですが、サルナシとの雑種ができるという可能性も指摘されているので、そちらもまた怖いと思います」

キウイフルーツは、れっきとした外来種です。国は、適切な管理が必要とする「生態系被害防止外来種リスト」に掲載しているほか、愛媛県も「侵略的外来生物」に指定しています。

全国一のキウイ産地を守るためにも、より管理の行き届いた栽培が求められています。ただ、問題の背景には、耕作放棄地の増加などが挙げられていますが、キウイ野生化について県やJAなどは調査を行っておらず、実態を把握できていないということで、専門家は、栽培をやめた時は残った株を除去するよう呼びかけています。