明治時代から観測を続けている名瀬測候所が先月移転し、5日は見学会が開かれました。

名瀬測候所は明治29年=1896年から観測を始め、翌1897年から127年間、同じ場所で観測を続けてきました。移転は国の防災拠点集約化に伴うもので、合同庁舎内には奄美海上保安部も移転しています。

地上から35メートルの屋上に設置された風向風速計や、敷地内の芝生の上の雨量計、温度や湿度を計る通風筒などの観測機器は、旧測候所から移設され、先月から観測が始まっています。

測候所は全国でも北海道の帯広と名瀬の2か所しかありません。名瀬測候所は鹿児島地方気象台の管轄ではなく、その上の組織、福岡管区気象台の所轄です。

(名瀬測候所 木村誠治所長)「気象現象は最近、激甚化している。(名瀬は)激甚化の元となる水蒸気量が多い地域の最前線の観測所なので、観測・予報両面から地域を担うというところは非常に重要な役割」

以前は50人を超える職員がいましたが、通信や観測機器の向上などで、現在は15人で観測や予報業務にあたっているということです。