宮崎県の西臼杵広域行政事務組合消防本部で職員によるパワハラが指摘されている問題で、組合議会による百条委員会が中間報告を公表しました。

今回、職員によるパワハラ問題が指摘されているのが、高千穂町、日之影町、それに五ヶ瀬町を管轄する西臼杵広域行政事務組合消防本部です。


この消防本部では去年、ハラスメントに関するアンケートを実施したところ、複数の職員が上司のパワハラを訴えました。

また、2015年の開所以降、7人の若手職員が早期退職したことも明らかになっています。

こうしたことから、組合議会では事実関係を調査するため百条委員会を設置し、これまで関係者への尋問などを行ってきました。


そして、5日、開かれた臨時議会で百条委員会は中間報告を公表しました。

その結果、証人尋問をした職員の半数以上がパワハラを受けたと証言し、4人が今年度中の退職意向を示したということです。


5日、開かれた組合議会の臨時議会で、百条委員会の佐藤さつき委員長は中間報告を公表しました。

今回、百条委員会では消防本部の新規採用を除く全職員36人と退職者9人の合わせて45人に尋問を実施。
このうち、半数以上にあたる消防隊員20人が上司からパワハラを受けたことがあると証言したということです。

報告を行う佐藤さつき委員長

ハラスメントの具体的な内容は個人の容姿や家族に対する誹謗中傷のほか、訓練中や酒の席で頭をたたいたり、腰を蹴るなど暴言・暴力などのほか、セクシャルハラスメントもあったとしています。

また、4人が今年度の退職意向を示しているほか、6人が退職を検討しているとしました。

一方、加害者とされた3人は、「指導の一環」などパワハラを否定したということです。


これまで隊員への尋問を行ってきた佐藤委員長は、時おり、声をつまらせながら実態を報告しました。

(パワーハラスメント等に関する調査特別委員会 佐藤さつき委員長)
「尋問した職員の中にはパワーハラスメントによる精神的苦痛を思い出し、あるいは、パワーハラスメントを受けた同僚や部下を救えなかった後悔の念などの思いから涙が止まらず、言葉にならず、証言を中断する者が多数いたことは委員の胸にも鮮明に残っている」


百条委員会では来週、組合管理者の甲斐宗之高千穂町長などへ尋問を行った上で、来年2月末をめどに報告書をまとめる方針です。

(西臼杵広域行政事務組合管理者 甲斐宗之高千穂町長)
「最後まで働きたいと思える職場づくりへの改善、これを急ぎ取り組んでいきたいと思っています」


管理者を務める甲斐町長らは報告書を受けとった後、加害者とされた職員への処分を検討することになります。