カツとご飯とソースが織りなすハーモニー。
島根県松江市を中心に90年以上前から食べられている「カツライス」というご当地グルメです。
現在、島根県内では50店舗ほどが提供していて、コロナ禍ならではの新たな展開も見せています。
揚げたてのトンカツをご飯の上に。
そこにかけるのはカレーではなく、デミグラスソースです。

薄井靖代キャスター
「サクサクでジューシーです。またこのソースがいいですね。カツとライスをまろやかに繋げてくれて、重すぎずすごく食べやすいです」
島根県松江市にある「カフェNoVI」。
ご飯、トンカツ、デミグラスソースを1皿に盛り付けた「カツライス」は店の人気メニューです。

このカツライス、知る人ぞ知る松江のご当地グルメ。
昭和の初めごろから伝わる地元のソウルフードです。
しかし…
松江カツライス研究会 河合賢治さん
「以前は色んな喫茶店や料理屋とかに普通にあるメニューだったんですけども、個人のお店が少なくなってきたり、メニューとして認知度が低くなってきたりということで、メニューから消えていったり、お店自体が消えちゃったりで、だんだん数が減ってきているんです」

こう話すのは、カツライスの普及のために「カツライス研究会」を立ち上げた河合賢治さんです。
県内はもとより、県外のカツライスに似た食べ物にも注目し、その歴史や文化を調べています。
「エスカロップ」という北海道根室市のご当地グルメはカツライスによく似ていますが、ご飯がバターライスになっているなどの違いがあるそう。

さらに、兵庫県加古川市のカツライスならぬ「かつめし」や、福岡県大牟田市の「洋風かつ丼」など、全国に仲間がいるようですが、河合さんは、カツライスはやはり違うと話します。


松江カツライス研究会 河合賢治さん
「料理としてはほぼ一緒の料理で特別違ったということはないんですけど、やはりその中で特徴として言えるのは、全国でもかなり古い歴史を持っているということですね。90年以上、松江で続いているということが特徴です」