2024年10月より総勢33振りが出陣し、全国9か所で合計29公演が行われた【ミュージカル『刀剣乱舞』 祝玖寿 乱舞音曲祭』が12月1日、大千秋楽を迎えました。

「祝玖寿 乱舞音曲祭」は、2015年より始まったミュージカル『刀剣乱舞』の九周年を記念する祝賀ライブ。2021年に上演した「五周年記念 壽 乱舞音曲祭」以来となる「乱舞音曲祭」の形式をとり、9周年に合わせて国内9都市を回りながら審神者(さにわ)と共に歩み、歴史を重ねてきた刀ミュシリーズを振り返る公演となっていました。今回の公演では、前半5都市に、6年ぶりに髭切(三浦宏規)が祭に出陣したことも話題になりました。
TBSは、最後の地となった神奈川・Kアリーナ公演初日を取材。公演が始まる18時、会場内でいきなりアナウンスが流れたのかと思うと、小竜景光役の長田光平さんの舞台稽古中での負傷によって基本は声のみの出演、一部舞台上でのパフォーマンス披露となることが発表されました。

騒然となった会場でしたが、鈴の音が鳴り公演が始まると会場は静まり、刀剣男士たちが9周年を祝う祝賀礼服姿で登場。「ひふみよ、いむなやこ」と手で9つを数えると、「刀ミュ」のトライアル公演から出陣してきた小狐丸(北園涼)が「僕らはきっと振り返りはしない」と歌い始め、次々と刀剣男士たちが続き、陸奥守吉行(田村心)「終わることのないこれは序章」とこれからの未来に思いを馳せる。そして、全刀剣男士で「ここから続く ここから始まる」と刀ミュの未来を9周年の祝いのライブにふさわしくしっとりと歌い上げる。

その後、へし切長谷部(木原瑠生)が「祝玖寿 乱舞音曲祭ここに開始する」と宣言すると、しっとりとしていた空気を断ち切るかのように「百花絢爛」がスタート。華やかに激しく踊り出し、会場の空気を“祭”モードへ引き上げる。その後は、”刀ミュの祭”でしか見られない刀剣男士が入り混じってのパフォーマンスがスタート。

「Can you guess what?」「IGNITION」「Lost The Memory」と続き、会場を盛り上げた。「IGNITION」ではこれまで五月雨江(山﨑晶吾)が参加していたが、神奈川公演では山姥切長義(水江建太)が参戦。小竜景光も声のみで参加でしたが、花影組揃っての歌唱になりました。

その流れに続くように、お待ちかねの定番曲「mistake」では再び刀剣男士が勢ぞろい。スパークラーに、レイザー、色鮮やかな照明の中、刀剣男士たちが艶っぽく踊り、会場のボルテージをさらに上げる。
会場替わり曲では豊前江(立花裕大)と大典太光世(雷太)が「未だ視ぬ世界」を、外周ステージを走りながら疾走感いっぱいで歌い上げ、続く「鼓膜の奥」で山姥切長義が暗転から登場すると、会場から黄色い悲鳴を起り、会場を光る棒で水色に染め、切なげな表情で審神者を魅了した。

その流れを壊すかのように拡声器を持った豊前江の「ぶち上げろー!」の呼びかけでスタートした「始まりの風」「勝ちに行くぜベイべー」「KEY MAN」「百万回のありがとう」では客席に刀剣男士たちが登場。広い会場を縦横無尽に刀剣男子たちが移動しながら、審神者の近くに行き、「ありがとう」を伝えました。
日替わりネタとなっているTeam江(桑名江、豊前江、松井江、五月雨江、村雲江)と大般若長光(京典和玖)と源清磨(佐藤信長)の小ネタコーナーでは、会場ごとにパワーアップをしながら、会場替りの刀剣男士を巻き込んできましたが、神奈川公演で巻き込まれたのは山姥切長義。「中華街で食べ歩きをして色々あってからのありがとう」をやることになり、豊前江扮する某国民的アニメのようなヒーロー「おシウマイマン」と大般若長光扮する大怪獣ダイ・ハンニャがまるでヒーローショーのようなやり取りで会場を笑わせると、無事に山姥切長義の「ありがとう」を引き出した。
笑って温まった会場に登場したへし切長谷部は、大俱利伽羅の「REASON」をソロでカバーし、切なくもロックな曲調に合わせて力強く歌い、歌唱力を見せる。また、歌唱する刀剣男士が回替わりになっている「Yellow Sac Spider」では、大般若長光と大和守安定が登場。大人の色気の大般若長光と可愛さのある大和守安定(鳥越裕貴)のそれぞれ違う魅力が見事に融合したパフォーマンスとなった。
さらに、1部を盛り上げるべく阿弖流為(山本亨)、母禮(細見大輔)、坂上田村麻呂(三上市朗)の歴史上の人物3名が和太鼓のパフォーマンスと共に「勝利の凱歌」を披露しました。

そんな流れを変えるように始まった新曲「夕凪ひととき」では、秋の夕日の中で、刀剣男士全員が軽装姿に衣装替え。仲間と共にいる時間を大切にしているかのような穏やかな表情でしっとりと歌い上げます。

すると、センターステージに蜻蛉切(spi)カラーにデコレーションされたド派手なマイクがいきなり登場。会場も一気に明るくなり、蜻蛉切の圧巻の歌唱で「サルサ de ソウル」が始まると一転、刀剣男士たちも金色のサンバ棒を手に持ち、ノリノリでダンスをして、再びお祭りモードに会場を盛り上げました。
そんな、盛り上がった1部の最後を飾るのはこちらも祭りの定番曲「獣」。祝賀礼服姿からジャケットを脱いだ刀剣男士たちが、大和守安定の「騒げーー!!」の叫び声の通り、歌い踊って最高潮の状態で1部を締めました。

休憩を挟み始まった2部では本公演のテーマとなっている『刀ミュ』の歴史を振り返るコーナー。新型コロナウイルスの影響で、7公演で終わってしまった「静かの海のパライソ(2020)」の最後の公演となった2020年3月26日の挨拶映像からスタート。その後、パライソ出陣俳優たちが当時の心境を語るVTRが流れると、ステージ上に浦島虎徹(糸川耀士郎)と日向正宗(石橋弘毅)が登場して「誰も教えてくれない」を歌う中、全刀剣男士が登場し、刀を交える。続けて「三万七千の人生(ライブ)」では、豊前江、松井江(笹森裕貴)、浦島虎徹、日向正宗が一揆を率いり、公演中止になってしまった「静かの海のパライソ(2020)」の記憶を一気に呼び起させ、2部への勢いをつける。
過去の公演映像とともに「ひとひらの風」「問わず語り」が続くと、「答えるための問い」では時間遡行軍が登場。刀剣男士たちに襲い掛かり、「さあ、戦しようぜ」という歌詞の通り激しい戦いを見せたが、最後は和泉守兼定(有澤樟太郎)の「オレたちの活躍、様んなってたろ?」という言葉通り、見事勝利をつかみ取った。

そんな空気から一転、「旅人のうた(音曲祭 ver.)」では、刀剣男士が再び審神者の近くに登場し、審神者とともに手遊びを行い、会場の空気を一つに。

「刻まれた名前~花の雨 君の名残」では山姥切長義が一人で歌う中、途中から番傘を持った小竜景光も登場し、2人で歌い上げる。
日替わりで行われている「手合わせ」は日向正宗と今剣(大平峻也)の短刀対決。短刀同士だからこそのスピード感のある接近戦での手合わせで会場を沸かせました。手合わせを終えると、「梅干し探しをしよう」と約束をし、笑いあってステージを後にしました。

再び、歴史上の人物が登場した「蝦夷のうた」には大包平(松島勇之介)と水心子正秀(小西成弥)も参加。続いて、桜の映像が映し出され「よみびとしらず」をしっとり歌いあげると、アカペラから始まった「ごう おん すていじ」では”ぜっぷつあ~”を経たキラキラのステージを届けました。

「 万(よろず)の華うつす鏡」では、千子村正(太田基裕)の映像が映し出され、蜻蛉切が他の刀剣男士と共に儚げながらも圧巻の歌唱を披露し、今年公演された「陸奥一蓮」からは「己映す鏡」を歌唱。続けて、空気を変えるかのように小狐丸が登場すると「満月の夜の物語」を、もう一振りの小狐丸と狐のお面を付けた4振りと怪しくも優美に舞い踊りながら語りました。

その後、コロナ禍で行われた「幕末天狼傳 2020」での加州清光(佐藤流司)による挨拶映像が突如流れると、加州清光は「この時代(コロナ禍)が大変だってことは知っていた」と語り、この先の未来も知っているからこそ「沢山笑いあえる日が来ることも知っている」と断言。そして、再び刀剣男士が勢ぞろいして「かざぐるま」をドラマチックに歌いあげ、2部のクライマックスを彩りました。
祭の最後を締めくくったのはミュージカル『刀剣乱舞』のテーマソングともいえる「刀剣乱舞~祝玖寿 乱舞音曲祭~」。刀剣男士たちの名前が高らかに呼び上げられ、刀を振るい、公演に出演した全員がステージ上に一堂に会する大迫力のパフォーマンスで公演を終えました。
神奈川公演初日、カーテンコールで「誉ポン」を今剣に指名されたのは山姥切長義。名前を呼ばれると「山姥切長義だ。どうしたのかな?そんなにまじまじと見て」と挨拶し、気高く「誉ポン」。
その後、今剣が挨拶し、祭に終わりを告げたのかと思うと、再び加州清光が映像で登場。コロナ禍での悲しみを経ながらも、前を向いてきた審神者に「ねぇ、明るい未来あったでしょ?」と語りかけて、次の10周年に繋がる祝祭を締めました。
大千秋楽となった12月1日には、終演後に会場にて、ミュージカル『刀剣乱舞』の十周年を記念する「目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭(めでたやうたのほまれはなのまい じゅっしゅうねんしゅくがさい)」と題したライブが2025年7月29日(火)、7月30日(水)の2日間、東京ドームにて開催されることが発表されました。これからも刀剣乱舞の飛躍に目が離せません。
【担当:芸能情報ステーション】