臨時国会がきょう召集されました。「年収の壁」と「政治改革」が主な争点となっていますが、“少数与党”として石破総理はどう臨んでいくのでしょうか。

少数与党でのぞむ臨時国会 国会運営の行先は

加藤シルビア キャスター:
衆議院選後、初めての本格的な国会論戦の場となる臨時国会が28日、召集されました。今回、少数与党ということで、国会運営はどうなっていくのでしょうか。

主な論点は3つあると言われています。
▼2024年度の補正予算案
▼政治資金規正法の再改正
▼年収103万円の壁
などが話し合われるということです。

石破茂総理は28日、「より丁寧に各党のご意見を聞きながら国会を運営していきたい」と話しています。その中でキャスティングボードを握っているのではないかと言われているのが衆院選で28議席を獲得した国民民主党です。

玉木雄一郎代表は27日に官邸を訪問し、石破総理とエネルギー政策について議論を交わしました。原発の新増設などを提言したということです。

同じ27日、国民民主党は野党協議を欠席しています。立憲民主党が企業・団体献金を巡る協議を呼びかけましたが、国民民主党は欠席し、慎重な姿勢を崩していないということです。

これについて玉木氏は、「野党で集まってとにかく法案出して結局通らないから、パフォーマンス。通らない方がいいと思って出している場合もある」と話しています。その上で、「与野党協議の場でしっかり決めることが必要」ということで、野党案の作成に消極的です。結果として野党協議を欠席しています。

企業・団体献金の禁止に向けて野党の“足並みは揃っていない”状況です。

ホラン千秋キャスター:
玉木さんの頭の中には何があるんですか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
実は少し政治のフェーズが変わっています。国民民主党は「103万円の壁」の撤廃を主張、それから補正予算に賛成することになりました。自民党からすると、これで一つ目処がついたので、おそらく2025年の通常国会などを踏まえて、次のステップはどうしようという段階です。

自民党としては「もう国民民主党だけに振り回されるのは勘弁してくれ」という状況になっていて、玉木さんからすると、自民党が自分たちに対してつれなくなっているのではないかと。「もしかしたら自民党は立憲と組むのではないか」と疑心暗鬼が生じ、エネルギー政策などでは自民党にすり寄りますよと。また、政治改革や企業献金についても「野党とは一線を画しますよ」と、自民党に第2のすり寄り作戦をしているんですが、当の自民党は「もう玉木さんいいですよ」というフェーズに入っています。

井上貴博 キャスター:
企業・団体献金はこの改革の本丸だと思いますが、結局ぬるいところに落ち着くのかなと思います。一方で、これまでは議論が密室の中で行われていましたが、それが選挙の結果でオープンになり、議論が見えてくるようになった。これで「我々の1票で政治は変わるかもしれない」という実感に繋がる政治になると思って見ていますが、この部分は前向きでもいいのかなと。

星浩さん:
自民・公明・国民民主で3党協議をやっていますが、これは密室なんですよね。今回の有権者の民意は、今までなかなか解決しなかった企業・団体献金の問題や、選択的夫婦別姓の問題を「オープンの議論で解決してほしい」ということだと思います。そうすると、国民民主が自公にすり寄って密室の協議を進めることが、果たして民意に合うのかどうかという議論が野党側からは出ています。

井上キャスター:
もう1つどうしても納得できないのが、元々企業・団体献金をやめる代わりに政党交付金にしませんかっていうのが出発点だったと思います。国民1人当たり200円くらいですか。それなのになぜすぱっとやめられないのか、何をどう調べても納得がいかないです。

星浩さん:
政党交付金は全体で300億円あまりあって、自民党は150億円くらいもらっています。しかし自民党は金のかかる政治を改められずにズルズル来ているので、それでは足りません。ここで企業・団体献金がなくなると、自民党にとっては大事な命綱がなくなります。そこの体質を変えていないので、「企業・団体献金がどうしても欲しい」という事が続いてるわけです。