去年、宮崎市の大淀川河口付近で遊漁船が転覆し、船長と釣り客の2人が死亡した事故について、国の運輸安全委員会は事故当時の状況や転覆した原因をまとめた調査報告書を公表しました。

去年12月、宮崎市の大淀川河口付近で、遊漁船「五六丸」が転覆し、船長と釣り客のあわせて2人が死亡したほか、客4人が重軽傷を負いました。

事故について国の運輸安全委員会は、28日、調査報告書を公表し、事故当時の現場周辺について、「磯波」や多方向からの波が重なり合うことで生じる「三角波」を伴う高さおよそ2メートルの波が発生していたとしました。

そして、事故の原因については、後ろから波を受けている状況で、船長が船の速度を落としたことから、船を追い越そうとする波によって後方部が持ち上げられ水没し、転覆したと考えられるということです。

運輸安全委員会によりますと、事故が起きた宮崎港の「南航路」は外洋に面した大淀川河口を通るため、気象・海象により、船の航行が危険となる波が発生することがあるということです。

委員会では、再発防止策として、宮崎港を使用する小型船舶の船長に対し、あらかじめ「北航路」やほかの港湾の活用を考慮しておくこと、そして、船を出す前に、気象・海象情報を十分収集しておくことなどを求めています。