今年も残すところ1か月あまりになるなか、金沢の老舗菓子店では、正月を彩る縁起物の和菓子「福梅(ふくうめ)」づくりが最盛期を迎えています。
「福梅」は、加賀藩主・前田家の家紋剣梅鉢(けんうめばち)をかたどった金沢伝統の和菓子で、江戸時代後期からおよそ200年、正月の縁起物として親しまれています。

金沢市の和菓子店「森八」の工場では、11月中旬から生産が始まり、多い時には1日に2万4000個の福梅が作られます。
森八の福梅は北海道産の大納言小豆に米飴をたっぷりと混ぜて炊きこんだコクのある餡が特徴で、職人たちが一つひとつ丁寧に皮で包んでいました。

森八若女将・中宮千里さん「年末年始といえば、家族で集まる楽しい時間だと思うので、そのときに心がほっとするお菓子というのを皆さんに提供できたらなと」
福梅づくりは12月下旬にかけてピークを迎え、森八ではおよそ40万個の生産を予定しています。