東京ミッドタウンの高層ビルのほど近くに、小さなお地蔵さまがあるのをご存じでしょうか。約40年前のこと、バブル時代の「影」を色濃く象徴するような悲劇が起きた名残なのです。(アーカイブマネジメント部 疋田 智)
お地蔵さまのあるところには
東京ミッドタウンのお膝元、華やかな六本木の一角に少々場違いな感のあるお地蔵さまがひっそりと存在します。
1988年の1月5日。
雪のちらつく日に、ここで悲劇が起きました。六本木トゥーリア照明落下事故。3名が死亡、14名が負傷するという大惨事でした。
最先端のディスコ「トゥーリア」
トゥーリアは当時「最先端の高級ディスコ」として有名な存在でした。
収容人数約800人を誇り、有名空間プロデューサーがアレンジした「近未来をイメージした内装」が売りでした。

3フロア吹き抜けの店内は「近未来の惑星に宇宙船が不時着した」というコンセプトで作られ、その宇宙船を模したのが、巨大照明装置でした。
その巨大照明装置が8.2メートルの高さから突然、落下したのです。