宮崎県内に新幹線が整備された場合の効果などについて、調査結果がまとまりました。
県が想定する3つのルートについて、整備費や費用対効果を試算した結果が県議会一般質問で示されました。

県は今年度、新幹線の整備費や費用対効果に関する調査を行い、27日の県議会一般質問でその結果を明らかにしました。

調査の対象は大分を経由する日豊本線ルート、鹿児島を先行して整備するルート、それに去年、県が比較案として新たに示した宮崎と新八代を結ぶルートの3つです。

調査の結果、まず、宮崎市から博多駅までの所要時間は、現在、九州新幹線を利用して3時間51分かかりますが、3つのルートでそれぞれおよそ1時間半から2時間半の短縮が見込まれるということです。

一方、整備費用は1兆600億円から3兆8100億円となっています。

そして、県の試算では、いずれのルートも費用を上回る利益が出るとする算定結果が得られているということです。

(宮崎県 河野俊嗣知事)
「県民の暮らしの向上に大きなインパクトを与えるものと考えております。一方、開業までに長時間を要することや多額の財政負担などの課題もあることから、まずは、県民の新幹線への関心を高めていくことが何よりも重要だと考えております」

また、河野知事は「県として東九州新幹線の実現を目指す基本方針は変わらず、県民のさまざまな声に耳を傾けながら、新幹線ネットワークについて議論していく」と述べました。

調査結果について具体的に見ていきます。

所要時間から見ていきます。


現在、宮崎市から博多駅までの所要時間は、鹿児島県を経由し、九州新幹線を利用すると3時間51分となっています。

これが、日豊本線ルートが整備されると1時間38分、鹿児島中央先行ルートは2時間12分、新八代ルートは1時間24分と、それぞれ、1時間半から2時間半ほど短縮される見込みです。

続いて、整備費用です。


日豊本線ルートが3兆8100億円、鹿児島中央先行ルートが1兆699億円、そして新八代ルートが1兆5000億円となっています。

そして、その費用対効果ですが、いずれも利益が費用を上回るという算定結果が得られたとしています。

費用対効果の具体的な内容も気になりますが、そちらに関しては、後日開かれる県議会の常任委員会で示される予定となっています。

県は来年1月に調査結果を踏まえたシンポジウムを開催することにしていて、国に対しては早期整備や財政負担のあり方の見直しなどを要望していくとしています。