能登半島地震で窯を失った珠洲焼作家が豪雨の被害も乗り越え、復旧をスタートさせました。写真家とのコラボレーションなど仲間たちと珠洲焼の再建に向けて新たな一歩を踏み出しています。
モノクロで陰影が強調された1枚の写真。写っているのはユウガオの花が生けられた珠洲焼の花器です。

金沢市安江町のアトリエで開かれた写真展には、様々な花と珠洲焼を写した作品およそ20点が並びました。
撮影したのは、金沢市を中心に活動している写真家の井津建郎さんです。長年にわたりアメリカで活動していましたが、文化と情緒が溢れる街並みに惹かれ、3年前に金沢市に移住してきました。井津さんは珠洲焼が描く曲線に美を見出したと話します。

写真家・井津建郎さん「暗い中に黒い焼き物があって光の当たっている部分だけが少し光る。その形・曲線がもうなんともいえない美や魅惑的なものを感じる」
井津さんを魅了した美しい珠洲焼。珠洲市に窯を構える篠原敬さんの作品です。
同じ芸術家として篠原さんが見た井津さんの写真は…
珠洲焼作家・篠原敬さん「とても静かな写真で奥が深い。1枚の写真だけど奥深さを感じるありのままの珠洲焼が撮られてて嬉しかった」

写真家・井津建郎さん「すごく心をくすぐられるような形。あれは篠原さん独特の形だと思う。篠原さんの器と出会って1年なので、まだしばらく一緒にやりたい。だから早く窯を作りなおして製作活動再開してほしい」