パワハラ疑惑に“告発者探し”も 有権者の“変化”

ことの発端は2024年3月。県職員へのパワハラ疑惑などを告発する文書を、県民局長だった男性が匿名で作成し、配布しました。

斎藤元彦氏
「ありもしないことを縷々並べたような内容。うそ八百を含めて文書を作って流す行為は公務員として失格」

そのとき斎藤氏は強い言葉で非難しました。元県民局長は停職3か月の懲戒処分を受けましたが、7月に死亡しました。

しかし、その後に県議会が設置した百条委員会の調査などで告発内容の中に事実があったことや、「告発者探し」を知事自ら指示していたことが明らかになりました。さらに、告発文書の中で2023年11月の阪神・オリックスの優勝パレードで、寄付金集めなどの業務で疲弊して療養中とされた元課長の男性(53)が、2024年4月に死亡していたことも明らかになりました。

斎藤元彦氏(百条委員会・9月)
「誰がこの文章を作成したのか、なぜ作成したのかという意図などを、事案としてしっかり把握するということが大事だと指示しました」

斉藤氏は、「文書は誹謗中傷性が高く、公益通報にはあたらない」「告発者探しにも違法性はない」と主張していましたが、兵庫県議会は9月、斎藤氏に対する不信任決議案を全会一致で可決しました。その後失職し、出直し知事選挙に挑むことに。最終日には、県職員に見送られることなく、県庁をあとにしました。

街頭に立つも、当初は見向きもされなかった斎藤氏ですが、選挙終盤には大勢の人が集まるようになりました。

今回の知事選の投票率は55.65%、前回よりおよそ14ポイントの上昇となりました。斎藤氏の再選に有権者たちは…

兵庫県民(50代)
「この人えらいパワハラする人やな、こんな人アカンで、というのが最初の印象です。ただ、時間が経つにつれて『そうか?』と心が動きました」

兵庫県民(60代)
「僕もはじめは、『なんてひどい人だ』と思ってました。でもその後、情報が出てきて実はこれが真実だったのかなと思いました」

兵庫県民(40代)
「斎藤さんがはめられたっぽかったので。決定打は立花さんが出てきたっていうところ」