鈴木エイト氏“現場で感じた違和感”とは

藤森祥平キャスター:
斎藤前知事の選挙戦を振り返ります。失職直後は誰も足を止めず、斉藤さんもお辞儀を繰り返すだけでした。選挙中盤では徐々に人が集まりだしました。そして選挙終盤になると、歩道を埋め尽くすような人だかりになりました。
この知事選を取材したMBSの海老桂介記者は「立花氏が立候補表明した10月24日以降、SNS上でムードが加速した」と話しています。
小川彩佳キャスター:
エイトさんは、実際にこの兵庫知事選の最終盤を現地で取材されたそうですが、どのような状況でしたか?

ジャーナリスト 鈴木エイトさん:
現地の様子を確認しに行きましたが、演説を聴いている人からは「自分で調べたら分かった」「斎藤さんを誤解していた」という方がかなりいらっしゃいました。
今回の選挙は、これまでの選挙とは違う何とも言えない違和感を抱きました。本人がいないときから現地はかなり盛り上がっていました。スタッフの人や立花氏が盛り上げていたりして、みんなで盛り上げて、悲劇のヒーローを応援してるような感じがありました。
しかし、斎藤さんは淡々と話すだけで、「これは一体何なんだろう」って違和感がずっと付きまとっていました。
斎藤氏の陣営がどこまでを想定していたかはわかりませんが、やはり立花氏が入ったことで、想定を超えたことが起きてしまったんじゃないかと思います。しかしこれは、本来の選挙の形ではないと思います。これには、非常に危うさを感じていて、決して成功体験と呼ぶべきではないと思います。
小川彩佳キャスター:
「危うさ」というのはどういうことなのでしょうか?
鈴木エイトさん:
投開票日の後もそうでしたが、非常にメディアに対して憎悪を向けるような声が上がっていました。「斎藤氏を追い込んだメディア・県議会に対して、何をしてもいい」という感じの憎悪を呼んでしまってるところがあったと思います。