山形県米沢市の60代女性が自宅にかかってきた電話をきっかけに、現金83万円をだまし取られる特殊詐欺にあいました。

警察によりますと、今年の10月中旬頃、米沢市に住む60代の女性の自宅の固定電話に電話がありました。

電話では、総務省電波監理審議局の「カネコ」を名乗る男が「あなたの個人情報がもれて、不正に携帯電話を契約されています」「通信サービスが止まるので、被害届を出してください」などと話したということです。

女性は言われるがまま、氏名や携帯電話番号を教えました。

その後、「キムラ」を名乗る人物からLINEのビデオ電話があり、女性は警察手帳のようなものを見せられたほか、犯人らしき人物の名前を挙げ、「詐欺で逮捕している○○を知っていますか」「その犯人があなたのお金を使っているかもしれません」「お札の指紋を採らせてください」などと言われました。

女性は、まったく身に覚えのない話でしたが、「キムラ」が警察を名乗り、警察手帳のようなものを見せてきたことで、話を信じたということです。

さらに「キムラ」から「口座を作って、そこにお金を振り込んでください」「捜査した後、振り込んだお金は返します」などと言われ、女性はスマートフォンでアプリをダウンロードし、女性名義の口座を開設しました。

そして女性は2回にわたって、合わせて83万円をその口座に振り込んだということです。

その後、その口座から金がなくなっていたため、警察が紙幣の指紋の捜査などをしていると思っていましたが、「キムラ」と連絡が取れなくなりお金も戻ってこないことから、警察に相談して被害がわかりました。

警察では、警察官が現金を要求したり口座開設を求めることはないとして、注意を呼びかけています。