13年前、京都市で起きた殺人事件で長女を失った男性が、このほど、高知県警本部で講演を行いました。事件後に被害者遺族が置かれた状況などを語り、「様々な分野が連携して寄り添ってほしい」と述べました。

■清家政明さん
「(娘は)首を後ろから斬られて、心臓とか胸とか背中とか脇腹とか20か所刺されてます、凶器は包丁で犯人が持ち帰ってたんかな」
清家政明さん。2011年3月12日、長女の千鶴さんが当時、薬剤師として勤務していた京都市内の薬局で同僚の男に包丁で刺され殺害されました。

犯罪被害者や家族が置かれる状況を知ってもらおうと開かれたこの講演会には、警察学校に通う初任科生や関係者およそ90人が参加。突然、娘を失った清家さんの話に耳を傾けました。
■清家政明さん
「夜の10時、11時になっても大津の家の方には帰ってこない、なんかトラブルでもあったかなと夫の方は思ってたそうです。いよいよ12時回るころになって、これはやっぱりおかしいということで妻の勤務する調剤薬局に(夫が)様子を見に行きました。施錠を解いてもらって中へ入ったら妻が奥の部屋で転がっていた、それもただ倒れているんじゃなしに、血まみれになって倒れているというところを(夫が)第一発見者として見つけてしまいました」

事件はなぜ、起きたのか。逮捕された男の裁判が始まりましたが、男は黙秘を続け、謝罪の言葉も娘が殺された理由も聞くことはできませんでした。
■清家政明さん
「裁判長が『これだけは言わなあかん』とか言っても『黙秘します』そういうふうな人間でしたので、非常に私たちも聞いててこれは裁判の値打ちがあるのかとそんな感じがしました、やっぱり何か動機とか自分の思うところを喋らんことには先に進まんのではないかと、そんな感じがしました」
「傍聴席からの傍聴だけでは後悔する」と考えた清家さんは、被害者参加制度を利用して裁判に参加。妻や千鶴さんの夫も意見陳述しました。