山形市の60代の男性がスマートフォンへの電話をきっかけに警察や検察を名乗る男が次々と連絡してくる手口で、現金およそ5560万円をだまし取られました。

県内での特殊詐欺被害は今年、2019年以降で、最悪のペースで確認されています。

警察によりますと今年6月、山形市の60代の男性のスマートフォンに総合通信基盤局(そうごうつうしんきばんきょく)を名乗る男から電話がありました。

男は「あなたの携帯電話でスパムメールが送られ、多数の被害者がいます」などと言い、警察官を名乗る男に電話を替わったということです。

警察官を名乗る男は「あなたの口座がマネーロンダリングに利用されている」などと言い、LINEで供述調書などと書かれた画像を見せてきたということです。

その後、検事を名乗る男や警察官を名乗る男とのやりとりの中で、男性は現金およそ5560万円を指定された口座に振り込みましたが、その後、男らと連絡が取れなくなりました。

今年、県内での特殊詐欺の被害は10月末時点で66件確認されていて、去年の同じ時期に比べ24件増加しています。

これは2019年以降最多の被害件数です。

また、今年に入ってからは通信関係者や警察官を名乗る手口の特殊詐欺が多発しているということです。

警察では警察官や検察官が現金を要求することはないとして、電話やSNSで現金を要求された場合は詐欺に十分注意するよう呼びかけています。