▽上里隆史さん
「僕は沖縄の歴史を皆さんに伝えようと文章をいろいろ書いたんですけれども、やはり百聞は一見に如かずという言葉の通り、イラストやビジュアルで伝えると、多くの人の印象に残って、そしてたくさん知ってくれる」
「和々さんのイラストと組み合わせることで、沖縄の歴史の普及にさらに一役買ったんじゃないかなと思っています」
和々さんは、2012年に出版された「琉球戦国列伝」でイラストレーターとして本格デビューしました。
今では、県や市町村から歴史のイラストや、グスクの御城印などのデザインも手がけています。古琉球時代の人物の肖像画は、ほとんど残っていないそうですが…
▽上里隆史さん
「例えば、文献に鎧の形式だとか、中国に贈った刀の様式はどのようなものだとか、いろんな情報が書かれているんですね。ただ絵として残されていないので多くの人にイメージがなかったと」
「そのまとまった情報をこちらで整理をして和々さんに伝えて、だいたいこういう形で再現をしてほしいということで」
専門家が持つ知識と情報が、和々さんの画力でかたちになり、琉球史というジャンルの魅力につながっています。
▽和々さん
「(阿麻和利の)顔つきに関しては、完全に私の想像ですが、小札(こざね)という鎧の胴の部分が出ていたり、兜の鍬形(くわがた)という飾りの一部が実際に出ているので」
「それをかなり意識して入れてビジュアル化したりはしていますね」
今まで琉球史に興味がなかった層にも “刺さる” ことを狙った作品も出版しています。考証に基づいた描き方だけではなく、あえてキラキラした描き方も。
和々さんの推し、武将の大城賢雄をアレンジして描くと…
▽和々さん
「彼はすごく強かったと言われているので、強そうに。ちょっとクールな感じのイメージで描いていくなかで、ちょっと黒をベースに」
「琉球史は学校で習わないから…とよく聞きますけど、今の子どもたちって、「総合的な学習の時間」での調べ学習や夏休みの宿題だったりで、郷土を学ぶ機会って、あるんですね」
「子どもたちが手に取りやすいような本・イラストから、何かちょっと読みやすそう、見やすそうというふうに、子どもたちのきっかけになってくれたら嬉しい」
幅広い世代に琉球史の魅力を届ける和々さん。11月30日からは、恩納村で作品展が開催されます。ぜひ足を運んでみてください。(取材 照屋貴奈)














