報酬の使い道と後悔「5年で済むと思った」

■弁護士
報酬はどうしましたか?
■永田被告
闇金の返済と、ほとんど競艇に使いました。

永田被告は、広島市の事件のあとも強盗や強盗予備事件に関与し、東京・狛江市の事件では、住人の90歳の女性が死亡しました。

■永田被告
どうせパクられると思っていました。何年刑務所に入るのか、知識なく「強盗」で調べたら「5年以上」と。5年で済むと思いました。被害者にとんでもないケガをさせて、私は追われる身だと、身を隠そうと思いました。もう犯罪でしか生きていけないと、キムのように胴元に、指示役になりたいと思いました。

広島の事件で頭を工具で殴られた男性ですが、裁判で家族は、後遺症などで24時間介護と見守りが必要な状態だと明らかにしています。また、53年続けていた店も閉業し、生活の基盤を失ったとも述べています。

7日、実行役の永田被告に、無期懲役の判決が言い渡されました。裁判の最後に永田被告は「被害者や遺族の心情のみを考えてください。極刑を下してください」と声を震わせながら訴えていました。お金欲しさで犯罪に加わってしまった結果は、引き返すことのできない後悔でした。

「闇バイト」に安易に手を出してしまうと、こうした結果になってしまうことがわかっているのに、いまも、事件が続いています。「闇バイト」に引き込まれてしまった後で、指示役から「家族に危害を加える」と脅迫されたり、金銭を脅し取られそうになるといった被害も確認されています。

こうしたケースを受けて全国の警察は、「指示役などに脅迫されても、必ず保護する」として、犯罪に加わらないよう異例の呼びかけをしています。

広島県警は、すぐに最寄りの警察署に相談するか、警察相談ダイヤル「#9110」に電話するよう呼びかけています。