現場に向かう車内 テレグラムから届いた指示は

■弁護士
車内ではどんな指示がありましたか?
■永田被告
テレグラムの通話をスピーカーにして、全員に聞こえる状態にして指示がありました。「殴ったり蹴ったりしないと報酬がありません。モンキーレンチでじゃんじゃんやってくれるので、やってください。ただし、殺してはいけません」と。

2022年12月、永田被告らは宅配業者を装って広島市西区の店舗兼住宅に押し入り、住人の男性やその両親に暴行を加えました。永田被告は法廷で、別の実行役が男性を拘束できず、自らも加勢した当時の状況を説明しました。

■永田被告
リーダーの立場として頼りにしていると思われていたので、加勢しているのにむしろ反抗されていたことにメンツがつぶれる、メンツがたたないと思いました。
■弁護士
その後、どうしましたか?
■永田被告
モンキーレンチでフルスイングしました。後頭部に向かって柄の部分をつかみ後頭部を殴りました。その反動でモンキーレンチがうしろに飛んでいきました。殴った時はかなり強い力、8割くらいで殴りました。
■弁護士
男性はどうなりましたか?
■永田被告
ふらふらして中腰になりました。他の実行役が顔面を殴ってバタッと倒れました。その後縛りました。
■弁護士
男性の様子は?
■永田被告
頭から血が大量に出ていて血だまりになっていました。まずいなと、やっちゃったかと思いました。

倒れた男性の父親は、永田被告に「これ以上、息子に暴力を振るわんでくれ」と頼んだといいます。

■弁護士
なんと答えました?
■永田被告
「わかっている」と、「殺したくてやってない」と言いました。

永田被告は、店舗兼住宅を出た後、指示役のキムに連絡しました。

■永田被告
「やばいっすよ、血止まってなかった」と言ったら、キムに「おまえ達が頼りないからだ」と言われました。「やっちゃったかもしれないです」と言ったら、「え、マジで、後で考えよう」と言われました。