アメリカ大統領選挙の投開票日から一夜。民主党のハリス副大統領が演説し、敗北を認めました。勝利したトランプ前大統領に対する各国の反応です。
韓国では各紙1面トップで扱っていますが、見出しに「『トランプ暴風』押し寄せる」とあるように影響を懸念する記事が目立ちます。
まず、在韓米軍をめぐりトランプ氏は駐留にかかる分担金の引き上げに留まらず、軍の削減や撤収も検討する可能性があると指摘されています。
一方、これまで3度会談した北朝鮮の金正恩総書記とは「うまくやっていく」と自信を見せています。
就任後に再び会談が行われれば、交渉材料として北朝鮮の核保有を事実上、認めかねないともされ、そうなると韓国は安全保障政策の大幅な見直しを迫られることになります。
けさ、トランプ氏と電話会談した尹大統領は祝意を伝え「近く直接会う」約束をしました。
ただ、その後の会見では「政府は対応で忙しい」と本音も漏らしていて、トランプ氏の就任に向けた準備を急ぐことにしています。
北京で街の人に取材してみますと、トランプ政権の誕生で貿易戦争が再燃するのではないかと懸念する声が聞こえました。
北京市民
「彼(トランプ氏)は以前ビジネスマンだったようで、中国への経済制裁が増えるかもしれません」
「(中国経済に)影響はあるでしょう。トランプ氏は関税を引き上げるでしょうから」
中国の地方紙には「トランプ氏の勝利で米中関係はどこに向かうのか」というコラムも掲載されています。「大きな不確実性が存在する」としつつも、「米中が協力し合うことで初めて両国の人々に実質的な利益をもたらす」と主張していて、予測不能なトランプ氏に中国側がどのように対応するか、その難しさを物語っていると思います。
中国の外務省も、ついさきほど記者会見で「貿易戦には勝者がなく世界にとっても役に立たない」などと強調しています。
プーチン政権としては、ウクライナ支援に消極的とされるトランプ氏に一定の期待を抱いているとみられますが、表向きは平静を装っています。
ロシア大統領府は、プーチン氏は対話に前向きだとしながらも、アメリカ次第だとしてトランプ氏の出方を慎重に見極める姿勢を強調しました。
「ウクライナ侵攻を終結させる」としたトランプ氏の発言についても、「それが実行されるかどうか、どのようにするのかは来年1月以降にわかるだろう」と述べるにとどめています。
トランプ氏は、停戦に向け領土保全を求めるウクライナ側に譲歩を迫る可能性があるとの見方もありますが、プーチン政権としてもトランプ氏の「予測不能」な対応に警戒しているものとみられます。
今後をにらんでロシア、ウクライナ双方が互いに有利な状況を作り出そうと戦場での戦闘を激化させるおそれもあります。
トランプ氏の返り咲きは中東情勢についても、様々な不安定要素をもたらすことになりますが、まずは今も続くガザでの戦闘にどのような対応をとるのかが1つの大きな焦点となっています。
イスラエルとしては、前の大統領任期中に極めてイスラエル寄りの政策をとってきたトランプ氏の勝利で、今後もガザで軍事的な圧力を続けることを容認してもらえるのではという思惑があり、実際にそうなれば、戦闘はさらに続き、停戦は遠のくことになります。
一方で、「ピースメーカー」を自称するトランプ氏は選挙期間中、ネタニヤフ氏に対して戦闘を終わらせたい旨を伝えたとされています。
武器供与などアメリカの負担を減らす意味でも、また1年以上続く戦闘を終わらせるという成果作りの意味合いからも、ネタニヤフ氏に対して、停戦するよう圧力をかけるのではとの見方もあります。
どちらにせよ、トランプ氏が与える影響は大きく、今後の対応に注目が集まります。
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