韓国文学「お薦め」の8冊
今の韓国文学は多様化して、面白くなっているそうです。SF、ハイパーリアリズム、ヒーリング、ミステリー……。「これは面白い」と思われる本はどんどん日本語訳されているそうです。ハン・ガンさんの本以外にも、読んでみたいと思う本がいくつもありました。
古川さんは4つのジャンルで2冊ずつ、日本語訳された本をリストアップしてくれました。
【SF】
『モーメント・アーケード』ファン・モガ著(自分の記憶を売るアーケード)
『どれほど似ているか』キム・ボヨン著(韓国SF草分け的存在の短編集)
【ハイパーリアリズム】
『ヘルプ・ミー・シスター』イ・ソス著(非正規雇用、格差)
『月まで行こう』チャン・リュジン著(独身女性、仮想通貨投資)
【ヒーリング】
『不便なコンビニ』キム・ホヨン著(現代の生きづらさ)
『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』ファン・ボルム著(書店を巡る群像劇)
【ミステリー】
『親密な異邦人』チョン・ハナ著(女性の生きづらさ)
『風の絵師I』イ・ジョンミョン著(歴史美術ミステリー)
私はSFの『モーメント・アーケード』(ファン・モガ著)が面白そうだと思いました。「自分の記憶を売るアーケード」という意味です。韓国のSF作家には女性がとても多くて、詩的な文章のSFが多いそうです。古川さんの話は知らないことばかりで、とても勉強になりました。ハン・ガンさんの本もどんどん増刷されて、今は書店に並ぶようになってきたみたいです。
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュース報道やドキュメンタリー制作にあたってきた。やまゆり園障害者殺傷事件やヘイトスピーチを題材にしたドキュメンタリー最新作『リリアンの揺りかご』は、9月から各種プラットホームで有料配信中。