ナギーブ・モスタファ調査員
「なぜ、そばが緑色なのですか?」

竹老園東家総本店 5代目 伊藤純司社長
「ここに用意してあるんですが…今は、クロレラを混ぜているので、緑色になっています」

 なんと!”釧路の伝統的なそば”には、クロレラが混ぜられているのです。

クロレラと言えば、たんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含むと、今では注目されている藻類ですが、なぜ伝統的なそばに混ぜているのでしょうか?

竹老園東家総本店 5代目 伊藤純司社長 
「東京の『かんだやぶそば』が始めたことだが、そばは新そばの時期は緑色になるが、だんだん時間が経つと色が悪くなってしまうので、それを緑色にするために、そばもやしを擦って入れたのが始まりで、そばを緑色にするところを真似て、東家のそばも緑色になっている」

 そう、釧路のそばが緑色なのは、「お客さまに1年中、新そばの気分を味わってもらいたい」という、そば職人たちの熱い思いから生まれた工夫だったのです。

時は明治時代、東京の老舗「かんだやぶそば」が、新そばの鮮やかな色を保ちたいという一心で、そばもやしの汁を練りこんだのが始まりだといいます。

それを、竹老園の初代、伊藤文平が北海道に持ち込み、釧路の”伝統的なそば”として根付いたのです。

竹老園東家総本店 5代目 伊藤純司社長
「緑色のそばを『藪そば』と呼んでいた時代があって、全国的には減っているかもしれないが、まだ釧路に残っているということで、伝統なので続けていきたい」

では、なぜ竹老園が始めた緑そばが、釧路全域に広まったのでしょうか?