デザイナーの皆川明さんが設立したブランド「ミナ ペルホネン」。「ミナ ペルホネン」のデザインコンセプトや作品の歩みを知ることができる企画展「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」が、青森県立美術館で開催中です。実は、青森県立美術館のスタッフユニフォームも同ブランドがデザイン。青森ともゆかりある「ミナ ペルホネン」の世界をより楽しむポイントをまとめました。

青森県立美術館スタッフユニホーム(提供 青森県立美術館)
約340着が展示されているコーナー

■洋服の「森」でブランドのコンセプトを感じてみる

会場に入りまず目を引くのが、四方の壁一面に飾られた洋服の数々。まるで洋服の「森」のようです。ブランドが設立された1995年以来、27年間に生み出されたデザインの洋服約340着が一堂に展示されています。流行に左右されず長年着用できる普遍的な価値を持つ「特別な日常服」をコンセプトに、オリジナルの生地からプロダクトを生み出し続けているミナ ペルホネン。「流行にとらわれないモノづくりを信条とするブランドの普遍性を感じとってもらいたい」とのことで、洋服は、年代別ではなくアトランダムに並べられているそうです。
流行にとらわれない素敵なデザインです


■モチーフに注目してみる

展示ではミナ ペルホネンのテキスタイルデザインやモチーフについて知ることができます。「tambourine(タンバリン)」という柄は、一つの円が25個のドットで成り立っています。一見すると普通の円ですが、手書きのデザインを忠実に表現するために一つ一つのドットの形や間隔が微妙に不均一に作られています。画一的でないドットが生み出すリズムは、シンプルながらもぬくもりが感じられるようです。
代表的な柄「tumbourine(タンバリン)」
意外なモノがモチーフになっているデザインもあります。「leima(レイマ)」という柄は、消しゴムに塗料を塗ってスタンプして作られたもの。よく見ると確かに消しゴムの形。会場には、実際に使われた消しゴムも展示されています。そういえば最近消しゴムも使わなくなったなあ~などと思いながら、まさかデザインに驚きです。
「leima(レイマ)」はフィンランド語でスタンプの意味
実際につかわれた消しゴム
ガムテープを裂いたような柄「taba(束)」


■インテリアでブランドの世界観を感じてみる

ファッションから始まったミナ ペルホネンは、今やバックや食器類、インテリアなど生活全般にその活動が広がっています。
「shell house(シェルハウス)」は、「簡素で心地よい宿」をコンセプトに、建築家の中村好文さんが設計して作られた建物です。薄い壁による巻き貝の構造になっていて、外壁がそのまま内壁を兼ねていくつながりが特徴です。皆川さんは、将来的に、ミナペルホネンの世界観が町になることを構想しているそうです。
「shell house(シェル ハウス)」