3週間後に迫るアメリカ大統領選挙。AI=人工知能を使って偽の動画などをつくる技術、ディープフェイクの脅威がかつてなく懸念され、専門家は投票日直前にフェイクの「波」が押し寄せると警鐘を鳴らします。
強盗に押し入るトランプ前大統領に、市民を銃で脅すハリス副大統領。もちろん、AIによるディープフェイクでつくられた本物そっくりの偽の動画です。
大統領選が来月に迫る中、インターネットにあふれるフェイク動画や画像。
人気歌手、テイラー・スウィフトさんがトランプ氏への投票を呼びかけるこのフェイク画像は、トランプ氏がSNSで引用したことで拡散され、テイラーさん本人が否定する事態になりました。
記者
「大統領選での影響が心配されるディープフェイク。それを見破るためのツールの開発がこちらで行われています」
アメリカ西部ワシントン州に拠点を置く非営利団体「トゥルーメディア」。
先月、誰でも無料で使えるディープフェイクの検知ツールを公開しました。URLを入れるだけで、フェイクかどうかを90%の精度で判別できると言います。
若者を中心に、SNSでニュースを見る人が増えているアメリカ。18歳以上の半数以上が、SNSを情報源としているという調査結果もあり、このツールもSNSでの対応に力を注いでいます。
SNSで拡散されたこちらのサイトは、報道機関を装った偽のニュースサイトです。
AIによる偽動画
「カマラ・ハリスという権力者に車ではねられました」
掲載されていた、少女が“ハリス副大統領にひき逃げされた”と訴える動画もフェイクでした。
「トゥルーメディア」 オレン・エツィオーニCEO
「今は唇の動きに違和感があるかもしれないが、すぐに解消され、人間の目では見分けられなくなります」
トゥルーメディアのCEO、エツィオーニさんはワシントン大学の名誉教授で、AIの権威としても知られています。ツール開発のきっかけは、バイデン大統領が同席したAIに関する会議に参加したことでした。
「トゥルーメディア」 オレン・エツィオーニCEO
「バイデン大統領は、ディープフェイクが民主主義の脅威になり得ることをすぐに理解しました」
エツィオーニさんは、“選挙直前には有権者の投票を妨害するようなフェイクが急増する”と警鐘を鳴らします。
「トゥルーメディア」 オレン・エツィオーニCEO
「人々に投票させないよう、ディープフェイクが使われるでしょう。『投票所で水道管が破裂した』『投票所が早く閉まる』などの嘘です」
そして、これらのフェイクは、激戦州など特定の州や地区がターゲットになると指摘します。
「トゥルーメディア」 オレン・エツィオーニCEO
「特定の場所で投票数を減らせれば、特に接戦の場合、状況を一転させることができます」
人々の投票行動を左右する可能性のあるディープフェイク。
重要なのは、SNS上の情報を疑うことだと言いますが、二極化が進む今のアメリカで、人々は冷静に判断することができるのでしょうか。
「トゥルーメディア」 オレン・エツィオーニCEO
「(Q.国民は十分に疑うことができますか?)多くの人がそうではありません。残念ながら奇妙なものを信じてしまう人もいます」
来月、アメリカ国民は、フェイクに惑わされずに投票することができるのでしょうか。
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