■日本海を臨む景勝地・東尋坊の「もう一つの顔」


福井県坂井市・東尋坊。日本海を臨む、年間120万人が訪れる景勝地です。しかしこの場所にはもう一つの顔があります。


海を臨む、通称「救いの電話」に書き込まれた「生」と「死」のやりとり。

もう1度思い留まって欲しいと置かれた電話代の10円玉。


この場所では日々、「死にたい人」と「救う人」との、命の攻防が繰り広げられています。

■18年で755人の自殺企図者を引き留め救った “命の番人”茂幸雄さん


この場所で自殺防止活動を行なう、茂幸雄さんです。ボランティアスタッフらとともに毎日、自殺を食い止めようと一帯を巡回しています。


(茂幸雄さん)
「何県から来られたん、大阪から?休み?今晩どうされるんですか?」

(観光客の男性)
「金沢に行きます」

(茂幸雄さん)
「まさか飛び込みに来たんじゃないだろな、と思って。そうか良かった。そういう人がいないか、いま探して歩いとる、はははは」

■事務所には、1週間前に引き留められた人たちが

土産物店が並ぶ、東尋坊の入り口に設けられた、茂さんの事務所です。

(スタッフの女性)
「もうおなかいっぱい?なんで?いつもそんなんね。食べないと」


事務所には、前の週に自殺をしようとして保護された2人が訪れていました。

2人とも死への恐怖を抱えながら、東尋坊をさまよっていたところを、スタッフに発見されました。


(茂幸雄さん)
「この世の中は修行の場、苦しいんや。みんな苦しい楽しいことは年1~2回。毎日楽しかったら人間アホになってしまう」


「自分で自分を鍛えると言うか、あんたよりまだまだ不幸な人たくさんいるでな、日本には」