「物価高」「賃金」石破総理でどうなる?

藤森キャスター:
今後も気になる経済の観点から言いますと、引き続き、物価高と賃金だと思います。石破総理も既に触れている点ではありますが、まず物価高について低所得者向けの給付金や、一部の大臣が、電気・ガス・ガソリンの補助金の延長についても示唆しています。

田中ウルヴェ京さん:
補助金はやはり救済や喫緊の解決策だったりするので、始めたときにどう終わるのかということが重要なはずですが、もしも延長なのであれば、なぜ延長で、どういうふうに終わるのかということも示す必要があると思います。

片山薫 記者:
電気・ガス・ガソリンの補助金はこれまで合計で11兆円程使われていて、直近だと3か月酷暑対策として一旦一時的に再開しましたが、延長となればどんどんと財政を使っていく一方なので、どこまでやるのかという議論をしなくてはならない。簡単ではないと思います。

小川キャスター:
石破総理はどのようなことを考えているのでしょう。

片山薫 記者:
複数の大臣がこのようなことを示唆したり、考えるべきだと言っているので、今後バラマキを続けるのか、それとも石破さん本来の、必要な人にだけ絞り支援していくという考え方にしていくのか。ただこのあと選挙がありますよね。そうすると、どうしても選挙前に自民党内から、もっとお金を使うべきじゃないかという議論が出てくると思います。これ以外にも、給食費の補助や地方への支援を拡充するという意見もありますが、だんだん額が膨れ上がっていくのをどう抑えるかは一つの課題だと思います。

藤森キャスター:
それから、石破総理になって賃金はどうなるんでしょうか?こんな発言があります。「2020年代に最低賃金の平均を1500円に引き上げる」。現在はちなみに1054円。達成するのにもう5年ぐらいしかないですよね。

片山薫 記者:
日本の時給が低い、給料が低いというのは、もうみんながわかるところで、上げていくべきだと、みんな共感すると思います。ただ実際に上げるとなると、5年間で毎年8%ぐらい上がる計算になります。しかし今年5%上がっただけで、スーパーや飲食店では経営が苦しくなっているという声があります。これを5年連続で8%の賃上げをするっていうのは、多分経営者がもたないと思います。特に中小企業ですね。潰れるような企業もあるかもしれません。それを乗り越えられるのかどうか、経営者に納得が得られるかどうかは今後の難しい課題だと思います。

小川キャスター:
威勢のいい言葉に感じますが、どれだけ計算されていて、どれだけ計画立てて考えられている言葉なのかというのを、疑心暗鬼になってしまうところもありますよね。

片山薫 記者:
目標としてはいいと思いますが、実際にできるかどうかは総理に問われてくると思います。

小川キャスター:
もう経済対策に期待するしかないというところまできているようにも感じますし、少子化対策などにも直結しますよね。

田中ウルヴェ京さん:
我々これからの時代って明確な正解がない時代に入りますよね。例えば昭和の時代だったら経済成長ってこういうことだ。経済対策ってこんなふうにすると良いだろうということがわかりやすかった。ものを増やしたり、高度成長はいいことだという時代だった。でも今は経済成長の反面で、それが環境破壊になるというような、表と裏が出るようになった。その両面を見れるリーダーってどういう人なのか、その人が、どのような経済成長を日本はするべきなのかということを示せるのか、そしてそんなところを私達はどう判断するのかという難しい時代になったと思います。

小川キャスター:
そこはぶれずに理念を掲げて貫き通す姿勢というのも必要になってくるわけですよね。

藤森キャスター:
ちゃんとした説明と理念をどこまで貫けるのか。また手のひらを返せば、さらなる不信感にもつながりますよね。

片山薫 記者:
手のひらを返しすぎると、多分市場も乱高下して、さらに手のひらを返さなきゃいけなくなってしまいます。ぶれないことが求められると思います。

小川キャスター:
4日、石破総理の所信表明が行われます。経済政策に注目です。