■園児のバス置き去り防ぐには?海外では対策義務化も
国山ハセンキャスター
「園児のバス置き去りに関してはこんなデータがあります。自動車の内装材を取り扱う三洋貿易が行った調査では、直近1年間で、園児を車内に残していることを認識せずにバスを離れたと答えた送迎担当者は267人中3人いたということです。いずれも、その後すぐに気がつくことができて、大事には至らなかったということです」
小川彩佳キャスター
「車内での置き去りというのは少なからず起きているということになりますね」
国山キャスター
「こうした事態を防ぐために、海外では、置き去りを検知するシステムの導入を義務化する動きが進んでいます。
アメリカ・カリフォルニア州では、送迎バスの後部にボタンを設置しています。運転手は車内に子どもが残っていないか確認して最後にボタンを押します。このボタンを押さなかった場合は学校や園に通知が送られる仕組みです。
韓国でも、同じようなシステムの導入を義務付けているほか、外から車内が見えやすいように、送迎バスの窓ガラスの透明度を検査することも義務付けています」

小川キャスター
「日本でもこうしたシステムの導入は行われるんでしょうか?」
国山キャスター
「実は、先ほどの実態調査を行った三洋貿易が2023年をめどに最新のレーダー技術を活用した検知システムを販売する予定だということです。
バスの天井にレーダーを設置することで車内での置き去りを検知した場合、担当者へ即座にアラームを発信する仕組みとなっていて、仮に小さな子どもがシートの下で寝ていたとしても検知できるそうです。
既存の車両に後付けもでき、導入費用も数十万円程度だということで、今回の事故を受けて問い合わせが増えているということです」

小川キャスター
「今回の事件に関してはあまりにずさんな対応だったわけですから、単純に一般化できないものではあると思いますが、ミスは起きうるという前提で、こうした技術を積極的に導入していくことは必ずしていくべきだと感じます。
ただやはり、結局は人ですよね。このような事件・事故を起こさないように、子どもを守るのは自分なんだ、という意識を子どもに携わる一人ひとりがどれだけ持てるかということにかかってくるかと思います」