石破新総理は人の話を聞かないイメージ? “納得と共感内閣”の行方は

藤森祥平キャスター:
1日21時から行われた石破総理の会見では「ルール」「日本」「国民」「地方」「若者・女性の機会」という、「5つの守る」が柱として強調されていました。

そして、注目されている裏金問題の再調査については「新事実が判明すれば調査が必要だという認識。必要があれば行うが、現在そういう状況にあるとは承知していない」という発言がありました。
それからもう一つ、裏金議員の公認をめぐっては「間違っても政治資金以外に使ったことがないかどうか、きちんとうかがいたい。あらかじめ提出をしていただき、公認権者である私の責任として、私も説明をする義務を持っている」のことでした。
これは、何かしらを書いて出させるということなのでしょうか?

TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
提出という言葉はそういう意味でしょう。不記載があった議員にアンケートか何かを出して文書を提出してもらい、石破さん自身が自民党総裁として「この人は後任にふさわしいのかどうか」を判断し、対外的に説明できるかどうかを考えて対応するという趣旨だと思います。
そうなると、すんなり全員を「はい、公認」とはならない可能性が出てきます。
藤森キャスター:
具体的な条件や基準ははっきりしないまでも、これが当然、何かしらの参考資料になってくるということでしょうか。
石破総理は会見で「限りない透明性」ということも言っていましたが、政治とカネについて、これが十分なのかというところがありますね。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
そこも含めて、石破さんがどれだけしっかりやったという姿勢を示せるのかということになります。
小川彩佳キャスター:
15日が公示なので、どれだけ精査できるのかというところも非常に疑問が湧いてきます。
石破総理からは「納得と共感内閣」というお話がありましたが、どのような印象でしょうか?

小説家 真山仁さん:
まず、よくこんなことを言ってしまったなと思います。納得と共感を得るというのは、むちゃくちゃ難しい話ですよね。
あえて過去には問わず、未来の話をしたいのですが、総理大臣という言葉をもう少し大事にしていただきたいです。総理大臣というのは、すべての省庁や大臣の言っていることを聞いたうえで、最終的に判断する人ですよね。しかし石破さんにはなんとなく、頑固で人の話を聞かないというイメージが多くの人にあるのではないでしょうか。
総理になったとき、ちゃんと話を聞いた上でコミュニケーションをして、勝手な判断ではなくてみんなが納得する、まさにまずは大臣を納得させる判断ができるかどうか。「これからの新しい自民党政権はこの人がやってくれる」という、国民の共感を得られるようなことをやらなければいけません。
この言葉を言ったということは、石破さんは総理大臣の意味をわかっていらっしゃるのでしょう。ですから、自分ですごくハードルを上げています。我々はぜひ、本当にこんなことで納得できるのかと、ちゃんと注視していくべきだと思います。
小川キャスター:
人の話を聞かないイメージがあるということですが、実際どうなのでしょうか?
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
石破さんは今回の会見でも、初当選から38年間、いろいろな方の話を聞いてきたというような話をしていました。ある種、集大成を実現したいと思っています。
これまで考えて、話を聞いて練り上げてきた政策に石破さんは自負を持っているので、人から何かを言われてもそんなに変わらないような、柔軟性に欠けるというイメージがあるのかもしれません。
小説家 真山仁さん:
自負を持つことと、人の話を聞くということは全然違います。ぶれないことは大事なのですが、柔軟性というのが今の時代は最も重要です。
長くやってきた経験があるということを振りかざされると、企業でもそんな社長は嫌だと言われますよね。そこはぜひ、広い視野を持てる余裕を持ってほしいなと思います。