大型で強い台風11号は今朝にかけて長崎県に接近し、各地で暴風による被害が出ました。


(海岸に打ちつける波と、激しい風の音)
県内を襲った大型で強い台風11号。

台風の接近に伴い、5日、五島市のスーパーではパンや缶詰などを市民が買い求め ”品薄状態” に。


買い物客:
「牛乳、納豆とか身近ものを(買おう)と思って来たんですけど全然ないんですよ。しょうがない…」


県内では台風に備え、家の屋根を補強したり、船を岸壁に係留したりする姿が見られ、バスやJRなど各交通機関は、運休や始発からの運転を見合わせました。


県内で最初に暴風域に入ったのは五島でした。


宮木 直人記者:
「(5日)午後8時の五島市です。台風の影響でしょうか、ゴーゴーと音を立てて非常に強い風が吹いています」


五島市上大津では、午前0時半ごろ最大瞬間風速35.5メートルを観測。
24時間降水量は、五島市木場町で103.5ミリとなりました。

■ ”暴風”だけではなく”高潮”にも警戒

永田 瑞樹記者:
「午前3時の長崎港です。台風の最接近と満潮の時刻が重なり、波が岸壁の高さまで迫っています」


県内は、ほぼ全域が風速25メートル以上の暴風域に入り、10万世帯以上に避難指示が出されました。


(対馬市 6日午前3時頃)
県内で最も風が強かった対馬市厳原では、午前3時半過ぎに44.7メートルの最大瞬間風速を観測しました。
気象台によりますと、県内はおよそ12時間にわたって暴風域に入っていたということです。

一夜明けてー
宮木 記者:
「強風の影響でしょうか。大きな看板が倒れて、道路脇に落ちています」


五島市では暴風の影響でバス停が倒れたり、電線が道路に垂れ下がるなどの被害も見られました。
また倉庫の屋根が風で飛ばされる被害も──


五島市富江町の住民:「一応(対策は)していたけれど、飛んでしまった」

県災害警戒本部によりますと、五島市では5日、80代の女性が強風にあおられ転倒し、軽いけがをしたということです。


長崎市では街路樹が風でなぎ倒されるなどの被害が出ました。


また台風の影響で県内では最大でおよそ33,430戸で停電が発生。全面復旧は7日になる見込みです。
農家の被害も──

■ ようやく育ってきていたのに…

五島市のアスパラ農家は、今回、台風に備え、ハウスが壊れないよう事前にビニールを外していましたが、アスパラ自体に被害を受けました。


五島市玉之浦町 アスパラガス農家 田中 政秀さん:
「せっかく生ってたのに…今年の夏はめちゃくちゃ(天候が)悪かったでしょう?で、やっと漸く9月になって、少し回復してきたかなって思ってたらこういう状況…
これから先の成長がどうなるかというと、もう結構、根元を傷められているから非常に心配ですね」


また波佐見町で、35年梨を育ててきた農家では、およそ半数の実が台風で落ちたそうです。


梨農家 田中 一義さん:
「ご覧の通り、実をだいぶ落とされました…雨は構わんとですけどね。風だけは要らんです。来年に期待せんば…」


県は今回の台風による農作物の被害を調査していて、今後、県内の被害状況を取りまとめることにしています。