「知事の仕事をまだまだ続けたい」。パワハラ疑惑などを告発された兵庫県の斎藤知事が、30日付で失職し、出直し選挙に臨むと発表しました。
「高校生が『辞めないでほしい』と手紙を…」
26日午後3時、兵庫県の斎藤元彦知事は緊張した面持ちで会見場に向かいました。

斎藤元彦 兵庫県知事
「結論から言いますと、今回の不信任決議案を受けて議会の解散はせず、30日付で失職をする。そして、次期知事選において出直し選挙に臨ませていただくということを決めました」

問題の発端は2024年3月、元県民局長が斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発したことでした。
元県民局長は県の内部調査によって告発者と特定され、懲戒処分を受けたのち、7月に死亡しています。
県議会が疑惑を調査するために設置した百条委員会では、9月6日、次のようなやり取りがありました。
委員
「トップとして道義的責任を感じているか、感じていないのか答えてほしい」

斎藤知事
「道義的責任がなにかわからないので、明確にコメントできない」
そして19日、斎藤知事に対する不信任決議が全会一致で可決され、斎藤知事は29日までに県議会を解散するか、辞職・失職するかの選択を迫られ、その決断が注目されていました。
1週間の熟慮を経て斎藤知事が最終的に選んだのは、「失職」と「出直し選挙への出馬」でした。
斎藤知事(26日)
「県民の皆さんに改めて心からおわび申し上げたいと思います。私はやはり知事の仕事をまだまだ続けさせていただきたい」
「(Q.議会を解散しなかった理由は)議会の解散は私の中では最初からなかった」
斎藤知事が1週間悩んでいたのは、出直し選に出馬するかどうかでした。決断したのは25日朝で、決め手については次のように話しています。

斎藤知事(26日)
「(25日に)高校生が私のところに来られて、手紙を渡していただいた。『辞めないでほしい』と。こんな自分でも期待してくれる人がいるんだということを受け取り、選挙は大変だと思うけど、頑張ってみようと覚悟を決めた」
一方、兵庫県民に声を聞いてみました。
街の人
「リーダーとしての責任をとっていないと思う。選挙に出るならご自由にどうぞ。ぼくは投票しない」
「良いと思います。そんなにものすごく叩かれるような悪いことしはったんかなという感じです」
出直し選挙では、各会派が斎藤知事の推薦は難しいとして、独自候補の擁立を目指していて、斎藤知事は政党の支援を受けない形で選挙戦を戦うことになりそうです。