今年4月に義務化された「相続登記」、亡くなった家族から引き継いだ不動産を自分名義に変更する手続きです。義務化の背景には、東日本大震災がありました。なぜ相続登記が重要なのか、そしてスムーズに進めるためにはどうすればよいのか、具体的なポイントを解説します。

相続登記とは亡くなった家族などから引き継いだ家や土地を名義変更することで、今年4月に義務化され、まもなく半年が経ちます。

Q、相続登記、4月から義務化されたんですけど、ご存じでしたか?
女性:「よくわからない。相続登記がわからない。」
女性:「まだどうやって相続したらいいか、わかりません。迷ってますから。」
相続経験のある男性:「同じ兄弟だからと思って自分の気持ちと同じだと思ってやったけど難しかったですね。」

相続登記義務化 相談件数の増加続く

なぜ「相続登記」が義務化されたのか?それは東日本大震災がきっかけでした。

復興工事の際に所有者不明の土地が多く、思うように工事が進まなかったことから、こうした事態を防ぐために相続登記が義務化されました。これにより、相続して不動産を取得したことを知ったときから3年以内に原則として登記しなければならず、怠った場合は10万円以下の過料の対象となります。

相続登記について長崎県司法書士会に寄せられた相談件数は令和4年度が166件、5年度が358件、今年度は4月から8月までで、すでに150件にのぼっています。

長崎県司法書士会 山下隆義さん:
「令和4年、2年前ぐらいから段々相続登記に関する相談が増えていて、今では前年度を超えるような相談数を今数えております。やはり一番多いのはほったらかしにしてたという人が圧倒的に多いかなと思います。亡くなられた方の場合だとほったらかして何十年も経っていますので、相続人がまずわからないとか、あと、そもそも仲が悪くて話し合いにならないというパターンが多いですね」

相続登記をスムーズに行うためには

相続登記は相続の権利がある相続人全員の同意がなければできません。家族や親族での話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所での調停ということになります。そうなると、時間もかかってしまい、思うような結果になるとは限らないといいます。相続登記をスムーズにするためにはどうすればいいのか、聞きました。

長崎県司法書士会山下さん:
「まず自分に相続財産、つまりどういった財産をもっているのか、その財産をどういうふうに分けたいのか、どう処分したいのかというのをあらかじめ、家族で決めておくことが第一だと思います。その中で有効な手段としては『遺言書』などの形で名義変更を簡単にする方法もあります。(何もしなければ)残された方がとても困る。困っている方々と何人も会っています。『遺言書』さえあればと言う人はたくさんいます」

親がまだ元気なうちに遺言の話をするのはなかなか難しいのかもしれませんが、相続する人が決まっているのであれば、「遺言書」があるとはっきり分かるので、相続登記が進めやすいそうです。そして、万が一相続登記が進まない、話がまとまらないという場合には「相続人申告登記」という制度もあるそうです。

相続登記がないと不動産の売却ができないため、根本的な解決にはなりませんが、「相続人申告登記」をすると3年以内の相続登記の義務をとりあえす免れることができるということです。なお、相続人の数がものすごく多い場合、病気、経済的困窮などの正当な理由がある場合も相続登記の義務を免れることができるということです。

注目される「相続登記」 相談トラブルに注意

長崎県司法書士会によりますと社会の流れとしていろいろな場所で「相続」が注目されるなか、さまざまな業者がこの分野に参入してきているということです。そこで正しい知識が本当に市民に提供されているか、誤った情報や必要以上の費用の負担を強いられることはないか、消費者被害とならないか懸念されていて中には司法書士の資格がない人が相続登記の相談を受けるような状況が散見されるため、県司法書士会ではこうした動きを注視しているということです。