AIを活用し畜産農家の負担軽減を図る技術についてです。
宮崎大学と日本ハムの共同研究グループが、自動で豚の体重を推定できる装置を開発しました。

無人の豚舎で豚の上をゆっくり動く装置。

これは、宮崎大学工学部の川末紀功仁教授の研究室と日本ハムの共同研究グループが開発した装置で、AIを活用し豚の体重を自動で推定することができます。

この装置は、川末教授の研究室が4年前に開発した豚の体重を推定できるメガネ、「スカブター」の技術を応用して開発。

移動式カメラで撮影した豚の画像データをもとにAIが体重を推定し、枝肉の量や質も測ることが可能となっています。

家畜伝染病の侵入防止のため全頭出荷、いわゆる「オールアウト」が推奨されている養豚業。

この装置を活用すれば、区画ごとに毎日、豚の平均体重を把握することができ、養豚業者がオールアウトの日程を判断をしやすくなるというメリットがあります。

年々、業者が減少する一方、一戸当たりの飼育頭数は増加している養豚業。

川末教授と日本ハムではこの装置が業者の負担軽減につながることを期待しています。

(宮崎大学工学部 川末紀功仁教授)
「軽労働化が進んで新しい技術を使うと、若い人もやってみたいなという人が出てくるかと思うので、その辺に協力していければ」

(日本ハム株式会社中央研究所 奥田雅貴さん)
「今、畜産業は養豚農家も廃業になっている。持続可能な養豚にしていくために、この技術を製品化して皆さんに役立つものにできたら」

豚の飼育頭数が全国2位の宮崎。
養豚業のこれからを支える新たな技術として注目が集まりそうです。

この装置は来月、東京で開かれる展示会で一般公開され、その後、全国の養豚業者で試験運用される予定だということです。
本格的な実用化が期待されます。