タイで社会問題になっている“物乞いビジネス”。施しをすれば「徳を積める」。こうした習慣を悪用して物乞いになりすまし、金銭をだまし取るケースが相次いでいるといいます。中には悪質なブローカーの存在も…

違法でも…“最低賃金より稼げる”

多くの高層ビルが建ち並ぶタイの首都バンコクの中心部。街を歩いていると、しばしば目にする光景があります。

記者
「歩道橋の下に座り込んでいる人がいます」

タイ人や外国人観光客などにお金を恵んでもらおうと「物乞い」する人たちです。

記者
「通行人がお金を渡していますね」

タイでは2016年から物乞い行為が法律で禁止されています。しかし、タイ政府によると、今年はコロナ後の観光需要の回復などもあり、前の年に比べ、“物乞い”が2割以上増えているということです。

ベルギーからの観光客
「きのう、片足がない物乞いの人を見ました」
「きのうの夜に1人いたね」

日本からの観光客
「可哀想な反面、仕事がないのかなと感じる」

子連れで物乞いをしていた人に話を聞くと…

ーーーなぜ物乞いを?

物乞いをしていた女性
「年をとりすぎて仕事がないのです」

ーーーなぜ子供たちを連れている?

物乞いをしていた女性
「面倒を見てくれる人がいないので」

人々の同情を買うように見える物乞い行為ですが、その多くが“物乞いビジネス”と呼ばれ、社会問題になっています。

タイ在住の日本人
「(物乞いが)最低賃金よりもらえることもあると聞く」