下腹壁動脈が使用できる

佐伯教授は抗不整脈薬と椎野さんに依頼していたダントロレンを持ってオペ室に再登場。何とか天城先生は危機を脱します。ダントロレンを投与した患者の熱は下がり始め血圧も少しずつ回復、オペの続行が可能となります。

佐伯教授は最後の望みである胃大網動脈は切離されていると忠告しますが、天城先生は何とか5cmでも残っていれば使用できるかもしれないと開腹を続行しようとします。それならと佐伯教授自ら腹部の癒着剥離をするのですが、途中で緑内障のため目が見えなくなり断念。天城先生が癒着を剥離しますが、望みの胃大網動脈は完全に切離されていました。

両側の内胸動脈、足の大伏在静脈、両側の橈骨動脈、そして胃大網動脈のうち使用できるのは左の橈骨動脈の3cmのみで、一般的に使用できそうなグラフトはありません。垣谷先生はさすが医局長なだけあります。下腹壁動脈が使用できるという報告を知っていました。下腹壁動脈はお腹の裏側に右左あり、上は内胸動脈と繋がっているのです。

これはあくまでも私の想像なのですが、内胸動脈の血流がないと下腹壁動脈の血流もなくなり細くなってしまう可能性が高い(側副血行路は太くなる可能性があります)。そのためグラフトとして使用できそうにないと垣谷先生は発言します。

しかし、この一言で佐伯先生は思い出すのです。以前の手術で天城司先生が下腹壁動脈と胃大網動脈の末端を吻合し、下腹壁動脈の血流を保ち保護しておいたと。