なりふり構わぬ治安対策 “負の側面”も

いま街からギャングの姿は消え、平穏を取り戻しました。

市民
「現政権はこの国を正しく導いてくれています」
「誰もがエルサルバドルのことを話題にしています。なぜならすべてが変わったから」

国民の多くは政府を支持していますが、なりふり構わぬ治安対策の「負の側面」も表面化しています。

ドゥラン・ロドリゲスさん。
ギャングとの関係を疑われた22歳の息子が2023年、刑務所で死亡しました。

息子を刑務所で亡くした ドゥラン・ロドリゲスさん
「息子はギャングのメンバーではありませんでした。息子に会いたいです。でも、もうそれはできません」

ロドリゲスさんによると、ある晩、匿名の通報を受けた警察が突然、家にやってきて息子を逮捕したといいます。

「拳銃を持っているはずだ」と捜索を受けましたが、結局、銃は見つかりませんでした。

しかし、息子はそのまま刑務所で亡くなり、当局からも詳しい説明などはないということです。

ドゥラン・ロドリゲスさん
「ギャングを捕まえるのは素晴らしいことですが、もう止めてもらいたい。多くの母親たちが私と同じように苦しんでいます」

こうした“冤罪”を訴える人がエルサルバドル全土で続出していて、国際社会からも非難の声があがっています。