小学1年生のときに経験した中越地震から20年―

坂牧さんは今年、能登の被災地を訪れました。

【坂牧颯人さん】
「すごく無力だなって思いましたね、なんか。でも今思えば、東日本大震災のときに誰かのためになりたいって思って太鼓を始めてなかったら、そもそも能登に行って太鼓をたたくことすらできていないから…。そう思ったらほんの小さな一歩ですけど、進んではいるんだなってすごく思って。だから“止まれないな”って思いました」

幼いころに夢見た和太鼓奏者として生きる道…夢をかなえた坂牧さん。
「経済的には不安定な仕事ではあるけれども、今が一番充実している」
そう笑顔で話してくれました。

太鼓が好き!楽しい!という気持ちがその音色に表れているようで、聴いている私たちも勇気をもらえるような坂牧さんの和太鼓。プロの和太鼓奏者としての姿を、坂牧さんはこの『山古志』から、発信すると決めています。

【坂牧颯人さん】
「表現しつくせないですね、なんかもう。楽しくて仕方ないし、好きでしょうがないし…。天職でめちゃくちゃ楽しんでいる。こんなところに住んでいても、それができるんだってことが伝われば、もっと子どもたちが夢を見られるんじゃないかなと思うし、“誰かにとっての何かのきっかけ”にひとつなれば、演奏している意味もあるのかなって思いますね」