■24年ぶりの円安水準 “値上げ”日本の打つ手は…
こうした値上げの背景にある大きな要因は世界的な原材料価格の高騰です。さらに、多くの原材料を輸入に頼る日本にとって円安が追い打ちをかけています。

9月1日は8月31日より1円近く円安が進み139円60銭台をつけました。1998年以来、24年ぶりの円安水準です。背景にあるのが、アメリカの記録的なインフレです。
TBSテレビ経済部 木戸誠人部長
「FRBのパウエル議長はインフレを退治するには景気を犠牲にしてでも利上げを続ける姿勢を示しているんです」
利上げによって市場に回る資金を減らし、物価上昇を抑えようとするアメリカ。

2022年3月から、利上げを繰り返し実施し、政策金利は2.5%まで上昇しています。一方、マイナス金利など異例の金融緩和から抜け出せない日本。ドルで資金を運用した方がより多くの利益が出るとして、円を売ってドルを買う動きが止まらなく円安が加速しているのです。
では、なぜ日本は金利を上げることができないのでしょうか?

木戸部長
「日本も物価上昇率が2%台に達していますが、要因はエネルギーの高騰で、良い物価上昇にはほど遠いという判断なんです。物価の上昇に賃金の伸びが追いついていないため、今利上げをすれば、さらに景気が腰折れしてしまう、そういうスタンスを日銀はとっています」
景気を冷やすとしてかたくなに金融緩和を続ける日銀。円安を止める道筋は見えていません。