憲法改正は争点に?“キングメーカー”の決断は?
藤森祥平キャスター:
自民党総裁選で「憲法改正」以上に議論すべき争点はあると思うかアンケートをとったところ、「そう思う」という結果が68.0%となりました。

星さん:
この反応は非常に健全な反応だと思います。2つ理由があり、一つは、これだけ裏金問題が出て政治への信頼が地に落ちているときに、憲法改正を議論するなら信頼を回復してからじゃないかと国民が思っているから当然のことですよね。
もう一つは、テーマとしても憲法改正にエネルギーを注ぐよりは、経済、社会保障や少子化対策などにエネルギーを注いでほしいと思うのは国民としては当然の反応だと思います。総裁選挙も国民の本当の意見を吸い上げて議論してもらいたいと思います。
小川キャスター:
そうした政策論争というのを期待するところですが、現時点でどの候補が有力視されているのでしょうか。今後の総裁選の流れになります。総裁選は、国会議員票と自民党員票の合計で争われますが、自民党内では今後どういう流れになるのでしょうか。

星さん:
候補者が多いので国会議員票でダントツに得票する人はあまり現れないと思います。
一方で党員票は一人でごっそり票を集める人が出てくるかもしれません。それでも、1回目の投票では過半数を取る人が現れず、上位2人の決選投票になる可能性が高いというのが多くの議員の見方です。

仮に人気の高い小泉さんと石破さんの決選投票になった場合、この“キングメーカー”を狙っている麻生さんや岸田さんからは少し困った事態になるでしょう。麻生さんは自分の政権のときに足を引っ張ったという石破さんを完全に嫌っています。
一方で麻生さんは最近菅さんとの確執が非常に強くなっており、菅さんが推している小泉さんも嫌だという心境です。
岸田さんも政権末期に菅さんが政権批判をして足を引っ張ったとして、非常に菅さんに対して反発がありますし、石破さんに対してもあまり信頼がない。麻生さんも岸田さんも同じ派閥は一体となって動こうとしているので、どちらにつくかで今思案をめぐらしているところです。
岸田さんが打ち出したはずの派閥解散ですが、やはり派閥単位で動くんじゃないかという、非常に皮肉な巡り合わせになってるという現状です。
小川キャスター:
それこそ派閥の論理ではないかと感じてしまいますね。マライさんは総裁選をどうご覧になっていますか。

マライ・メントラインさん
日本の総裁選はドイツのテレビでも取り上げることになっており、注目されています。結局どういう人がどういう政策でどういうプロセスで総裁に選ばれるのか、場合によって総理になっていくのかは外国からも見ていきたいです。有権者も同じで、そこをちゃんと見て、自分の投票行動の判断材料にしていきたいと思います。