
創業時にグサッと“血判状”
高井美紀キャスターQ 会社を創業された時には 皆さんで血判状まで作られたということなんですが?
「ある者は お金もなければ、技術も何にもないわけですから、ただ、人の心だけが頼りだと。人の心というのは 移ろいやすく頼りないのも心なら、一度信じ合った仲間の心というのはこれほど強いものもないと私は信じていましたので、示すためにみんなで血判をしようと」
Q その日のことは やっぱり覚えてらっしゃいます?
「もちろんです。どうやって血判というのをすればいいのか分からなくて、かみそりを持ってきて、どう切るんだろうと思い、グサッと深く切り過ぎて、痛かったことを覚えています。」

成長を支えたのは、稲盛さんの経営哲学「京セラフィロソフィ」だ。仕事や人生のあり方を説く冒頭には、心の大切さが書かれている。稲盛さんの執務室には、尊敬する西郷隆盛の書がある。
「『敬天愛人』です、西郷南州の。今でも何か書かされると私は必ず書いているんです。天を敬うということですね。」
稲盛さんの経営哲学を学ぶ勉強会「盛和塾」。世界大会では、5000人の経営者が各国から集い、彼の一言一句に 耳をそばだてた。中でも 中国での人気はすさまじく、盛和塾が30か所にできている。稲盛さんとともに中国・瀋陽へ向かった。