岩手県北上市で、市街地にクマが出没した場合に備えた訓練が始まり、初日となる27日は、関係者が現場での対応や役割について協議しました。

27日始まった訓練は、市街地でのクマの出没に備えて岩手県が2022年から行っているもので、北上市での実施は今回が初めてです。
訓練には今回、県や市の職員に加えて警察や猟友会の関係者、あわせて30人ほどが参加しました。
県内ではクマの出没が相次いでいて、今年度の出没件数は6月末時点で1439件と過去5年間では去年に次ぐ多さとなっています。
人身被害も26日までに7件7人に上っていて、このうち遠野市では5月に60代の男性が死亡しています。

初日の27日は、地図を使った机上訓練が行われ、クマが住宅に入り込んで動かなくなったという想定で、参加者が現場での対応や役割について意見を交わしていました。

(岩手県環境生活部自然保護課 酒井淳総括課長)
「地域に住んでる住民の安全の確保、さらに関わる方々の安全を確保した上で、対応していくことが大事になるかと思います」

訓練は28日も行われ、机上訓練で協議した内容を基に、実際に市街地で本格的な訓練を実施し、クマの捕獲の手順などを確認することにしています。