理化学研究所などが今年8月に発表した、新型コロナウイルスの変異株の抗体量を調べることができる「自動測定システム」。たった8分で複数の変異株の抗体量を同時に調べることができるといいます。抗体はワクチン接種や感染によって体内にできるもので、中和抗体量が多いと“ウイルスを無力化する力”=防衛能力がおおむね高いと考えられています。今回、毎日放送の大吉洋平アナウンサーが実際にこの「自動測定システム」を体験取材してきました。

ウイルスの変異にも対応可能「抗体量自動測定システム」

 大吉アナウンサーが訪れたのは、埼玉県和光市にある理化学研究所です。8月2日に発表された、新型コロナウイルスの変異株の抗体量をわずか8分で調べることができる「自動測定システム」はどんなものなのか、さっそく見せてもらいました。
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 (理化学研究所 伊藤嘉浩主任研究員)
 「これが今回開発しました、変異株に対する抗体を測れる装置です」

 装置では、全ての変異株の抗体量を同時に調べることができるということです。ウイルスの変異にも対応可能で、流行中のオミクロン株「BA.5」の抗体量も測定できます。
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 血液を1滴採取して計測するということです。大吉アナウンサーも今回、特別に測ってもらいました。

 (大吉アナ)「使う道具はどういうものなんですか?」
 (伊藤さん)「ランセットというもので、ボタンを押すと針が瞬間的に出てきます」
 (大吉アナ)「ちょっと怖いですけどね。全く痛くないということで、ボタンを押しますね。…本当だ、何にも感じませんでした」
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 指先から血液を1滴吸い取って液体の入った専用の容器へ。それをさきほどの装置の中に入れます。
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 そこに、黒い「カセット」も装着。実はこの中に理研がこだわった独自手法が組み込まれているのです。
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 装置に入れた黒いカセットにはあらゆる株のコロナウイルスの一部が固定されています。測定では、ここに採取した血液を垂らして試薬を用います。抗体があれば反応して光るということで、発光量を計測してどの株にいくら抗体量があるのかわかる仕組みで、たった8分で抗体量を測定できる独自システムです。