車社会の山口県では、返納することで、日常生活が不便となる可能性もあります。防府市の自由ケ丘地区では先月、新たな取り組みを始めました。免許を返納した人や自分で車を運転できない人など向けの送迎サービスです。

この「のりあいフリー交通」、実は自治会が運営しています。送迎用の軽自動車は自治会が購入し、ドライバーは地区に住む40代と50代の4人。主婦や、仕事の合間を縫って協力してくれる人たちです。ガソリン代の実費のみで利用者を自宅から目的地まで送迎します。

1960年から80年代に開発されたニュータウンでは住民の高齢化が進み、自由ケ丘地区でも住民のおよそ3割が高齢者です。この日は、病院に向かうという男性と駅に行く女性の2人が利用しました。

2年前に免許を返納・駅に向かう女性
「ちょっと返納するのが早すぎたかなと思って後悔しているんですけど、おかげさまで、このシステムができまして助かってます。」

運転しなくても生活を便利に

自由ケ丘自治会によると自治会が送迎サービスを運営するのは全国的にも珍しいそうで利用者からは、「便利」「助かる」と好評だということです。

和田敏明・自由ケ丘自治会長
「免許を返納されたときにどうやってこの町で生きていくんだっていうことがきっかけで始めました。移動支援、買い物だとか生活支援であったり医療関係ですね、そういったことはもちろんのことなんですが、これをきっかけにいろんな趣味を始めたりだとかそういうことにもぜひ利用してほしいと僕は思っております」

高齢者が安全に運転するにはどうしたらいいか。運転しなくても不自由を感じずに生活するためにはどうしたらいいか。高齢化が進む中で、解決への特効薬はありません。安全と便利さの両立へ模索が続いています。