物価高の中でも低価格路線で売り上げを伸ばしているのが、首都圏で155店舗を展開しているスーパーマーケットのオーケー。とことん低価格にこだわる理由と、これからの戦略をオーケーの二宮社長に聞いた。
人気スーパー「オーケー」 二宮社長が語る経営戦略

スーパーマーケットのオーケー。低価格の商品を買い求めるお客さんで賑わっている。
来店客は「地域的に便利になのと、比較的安い」「食品以外のものも、歯磨き粉とか洗剤も安かった」。「低価格、あと品数。ここで大体全部揃う」という。

オーケーは「高品質Everyday Low Price(毎日低価格)」を経営方針に掲げていて、日本生産性本部が発表するスーパーマーケットの顧客満足度の調査では、14年連続1位を獲得している。躍進を続けるオーケーの二宮涼太郎社長に強さの秘密を聞いた。
――「14年連続、顧客満足度1位」最大の要因は?

オーケー 二宮涼太郎社長:
経営方針「高品質Everyday Low Price」を日々徹底することに尽きると思う。例えば特売するというと、特売の前日に同じ商品を買ったり、特売の後に同じ商品を買った人が「特売の日に買えばよかった」」と損した気持ちになってしまう。お客様に「損したな」と思ってもらいたくないのがオーケーの方針の底流ある。それなら「毎日同じ価格」で「いつ来ても安い」を目指そうというのが「Everyday Low Price」の根底の方針。
オーケーの大きな魅力、ロープライス。価格の安さを徹底するために行っていることが…
オーケーみなとみらい店 スタッフ:
今は近隣の競合店舗の折込チラシを確認して時点より金額が安いものを確認しているところ。

オーケーは、競合店より値段が高ければ、1円でも安くする「競合店対抗値下げ」を徹底している。チラシのチェック後、すぐに新しい値札を作成し、値段を差し替える。
――他店よりも安くこそが、オーケーのレゾンデートル(存在価値)?
オーケー 二宮涼太郎社長:
当然他のお店よりも一番安くしたいとは目指しているが、それ以上にオーケーに来てくれた客に「損をした」という体験をしてもらいたくない。「オーケーに来れば損をしない」という安心感で買い物してもらいたいと考えて対応している。
――「オーケーに来れば損をしない」という安心感こそが、一番のブランドか?
オーケー 二宮涼太郎社長:
はい。そこを一番重視している。
――オーケー、安さの秘密は?
オーケー 二宮涼太郎社長:
基本は、たくさんの客に来てもらって、たくさん買ってもらうことで、経費を圧縮できる。そこが一番のポイントだと思う。
――成長してお客さんが増えて売り上げが増えていくこと自体が、ビジネスモデルの前提にあるということか。
オーケー 二宮涼太郎社長:
はい。その通りです。
――それは大変ではないか?
オーケー 二宮涼太郎社長:
まだまだ、成長余地があると思っている。それに向けて頑張っている。
――そこでコストを少しでも下げていくという努力が続くからこそ、初めて計画が実現する。二宮社長からみて、このインフレで消費者の行動の変化はどうか?
オーケー 二宮涼太郎社長:
我々販売してるのは生活必需品なので、皆さん値上がっても買ってはいるが、やはり点数で少し調整はされていて、点数は減って、トータルでの客単価が若干上がっている。そこには節約志向が見え隠れしているとは思う。
――節約志向が強まってるからこそ、ディスカウントスーパーというオーケーのような業態が注目されている理由だと思うが、逆にアドバンテージがあると思うか。
オーケー 二宮涼太郎社長:
足元で感じてるのは「消費者はいいものを安く買いたい」。これは普遍的なことだと思う。
――だからそこを追求していけば、間違いはない?
オーケー 二宮涼太郎社長:
デフレでもインフレでも、しっかり支持してもらえると思う。