TBSテレビ「Nスタ」に出演中の気象キャスター、國本未華です。この度、コラムを書かせていただくことになりました。私はテレビでの気象解説のほか、全国各地で天気・防災に関する講演会や、子供向けのお天気ワークショップを企画・実施などもしています。このコラムのページは、私が普段仕事を通して感じていることのほか、気になることや好きなものに関する話題を掘り下げていく空間にしていきたいと思っています。
■日本海といえば...? 今年は異例の大雨に
今、私が一番気になっているもの。それは日本海です。
みなさんは日本海と聞いて何をイメージされるでしょうか?鰤(ブリ)など海の幸でしょうか。綺麗な夕焼けでしょうか。日本海側の気候的な特徴は、冬の雪の量が多く、頻繁に雷も伴います。春は何度も低気圧が通るため風が強い。夏はフェーン現象で急に猛暑になり、雨はさほど多い地域ではありません。
しかし、この夏は例外と言っていいでしょう。8月前半に日本海側は記録的な大雨となり、東北や北陸で総雨量が500ミリを超えるなど、過去に経験が無いような雨の降り方をした場所もありました。この大雨の主原因は、前線の停滞です。
ただ、それだけではないようです。日本海の高い海面水温にも原因があると考えています。日本海の海面水温が平年と比べて2度前後高かったことで、海面からたくさんの水蒸気が供給され、それが雨雲の発達を促したということです。今年は6月後半から急に猛暑がやってきたため、海が平年以上に温められていたのでしょう。
■埋没林から日本海へもう一歩
先日、日本海に一歩近づく機会がありました。かねてから気になっていた富山県魚津市にある「魚津埋没林博物館」に行くことができたのです。そこには、水の中に埋まっている木があります。国の特別天然記念物にも指定されている埋没林です。

場所:魚津埋没林博物館 撮影:國本未華
端的に表現すると、非常に不気味でした。何がどうなってこの写真のようになったのか、瞬時に理解することは難しいほどの異世界。一番大きな木の根っこは、端から端までおよそ10mもあります。水槽周辺の空気はひんやり。この冷涼感がさらに異様な空間を演出していました。