決勝の試合の裏側 順番は誰が考える?

南波キャスター:
決勝の試合も伺っていきたいと思います。
9試合戦う中での合計得点を競っていくのですが、第8試合の永野選手に注目しました。
8試合目で1点リードの場面、永野選手が今大会初めてリザーブからの試合出場で5連続ポイントがありました。改めて振り返って、あのときの思いはいかがだったでしょうか?

永野選手:
無我夢中で、動いていました。上手くいきすぎて自分でもびっくりしました。

南波キャスター:
会見では「駄目もとで思い切ったプレーをした」とおっしゃってました。

永野選手:
練習でやったことだけは最後までやろうと。それだけ考えて試合に入りました。その心意気がうまくいった感じです。

南波キャスター:
相手は元世界王者でした。

永野選手:
練習では全く勝てませんでした。吹っ切れて試合に臨めた要因かもしれません。

南波キャスター:
その活躍もあり、日本が勝利を手繰り寄せたわけですが、重要なポジションという意味では今回、最後の第9試合を務めたのがアンカー、飯村一輝選手です。飯村選手はそれまでの試合の中でも素晴らしい働きも見せてきたわけですが、相当緊張したのではないですか。

飯村選手:
今回アンカーを任せてもらいましたが、これまでアンカーをやったことがありませんでした。日本代表ではずっと敷根さんにアンカーをお願いしていたのですが、直前に「一輝をアンカーにしようと思う」と言われて最初は驚きました。任せてもらっている以上、もうやるしかないなと。勝ち切ることを前提に全力でやろうと腹をくくりました。

山内あゆキャスター:
順番などは、どなたが考えるのですか。

飯村選手:
ルペシューコーチが事前に考えます。試合の前にミーティングがあるので、そこで選手たちに順番を発表します。

山内キャスター:
ここでこうするっていう戦略は事前に発表されていたわけですね。

南波キャスター:
もちろん全員の全ての戦い、全てのプレーが金メダルに繋がったと思うのですが、勝利の大きな鍵になった部分をキャプテンの松山恭助選手はどのように振り返りますか。

松山選手:
どこにフィーチャーするかによって変わってくると思っていますが、総力戦で勝ったということが1つだと思います。軸となる私と敷根選手がしっかりこらえる所をこらえて、飯村選手が自由に自信を持ってプレーし、永野選手がリザーブで急遽入ってもしっかり自分のプレーをしました。

全員が特別な事をやらずに、いつも通りの自分たちを発揮したことがこの結果に繋がった一番大きな理由だと思います。

南波キャスター:
敷根選手は東京オリンピックでは個人・団体で4位で悔しさがあったと思いますが、最高の結果で晴らすことができた部分は改めていかがでしょうか。

敷根選手:
夢である金メダルで東京オリンピックの悔しさを晴らせたのはすごく嬉しく思います。