川の危険〔2〕川の流れ

川の危険の2つめは、「川の流れ」です。
「深さ」と「流れの速さ」には関係があります。
水深が「浅い」ところは流れが速く、「深い」ところは川の流れが遅くなっています。
流れがゆっくりだから大丈夫だと思い、深みにはまってしまい事故が起きてしまうのです。

水難学会理事 斎藤秀俊氏:
流れが緩やかなところはみんな安心してしまうんですね。
「流れがゆっくり」ということは「深い」ということをぜひとも頭の中に入れていただければと思います。

川の危険〔3〕急な増水

川に潜む危険の3つめは、「急な増水」です。
河川の上流で雨が降ると、下流の水位が急激に上がり危険です。

気象予報士 森朗氏:
頭上が晴れていても上流で雨が降っていると川は増水しますから、天気予報ももちろん事前にご覧いただきたいし、スマホのアプリなどでも雨雲がわかるようになっていますから利用して用心していただきたいです。

弁護士 八代英輝:
例えばキャンプなどで水辺にいるとしたら、自分が今いるところの天気予報だけでなく、上流の天気予報や雨雲レーダーを見たほうが良いんですね。

気象予報士 森朗氏:
山には尾根がありますから、雲が見えないんですよ。
上流と言われても山が見えなかったりするので、データを頼りにしていただくのが一番いいと思います。

水量が元に戻っても、川底がえぐられて深さ・地形が変わっている可能性があります。
斎藤氏は、「きのうまでは大丈夫でも今日は違うと思うことが大切」だと言います。

川に入る際にはライフジャケットを着用し、慎重に一歩ずつ確認しながら進むようにしてください。

海での危険「離岸流」

川だけでなく、海でも注意が必要です。
海水浴などで注意すべきなのが「離岸流」。
離岸流は岸から沖へ向かって流れる海水の流れで、流速は毎秒2mに達する場合もあります。
毎秒2mは、オリンピック競泳で自由形金メダリストの泳ぐ速さとほぼ同じ泳いで流れから逃れることは不可能です。
長さは約100m〜200m、幅が10m~30mほどあります。

斎藤氏は「離岸流は特有な地形で発生するという場合もあるし、普段は起こりづらい海水浴場でも突然発生する場合がある」と注意をうながします。

万一、離岸流に流されてしまった場合は慌てて泳がずにれに身を任せることが大切です。
離岸流の流れが弱くなったら「岸と平行に泳ぐ」とされています。

水難学会理事 斎藤秀俊氏:
実は離岸流は、我々専門家でも見た目ではわからないんです。
岸と平行に泳ぐのは相当泳力のある人の話であって、一般の方は慌てず流れに身を任せる。
海水浴場で泳いでいればライフガードがちゃんと見ていて助けに来てくれます。慌てずに助けが来るのを待っていていただければと思います。