バングラデシュで300人を超える死者が出た大規模な反政府デモ。首相の突然の辞任を受け、きょうにも暫定政権が発足するとみられていますが、混乱の収束につながるのかは不透明です。
発煙筒がたかれ、煙が充満する議会。首相公邸などに雪崩れ込んだ数千人もの市民。これは、バングラデシュのハシナ首相が国外に脱出した後の様子です。
また、ハシナ氏の父で「建国の英雄」とたたえられた初代大統領の像を破壊する人たちも。
バングラデシュ 陸軍司令官
「首相は辞任した。我々は暫定政権を発足させ、国を(正しい方向に)導く役割を果たしていく」
ハシナ氏は現在、インドに滞在中で、今後、第三国に亡命するとの見方もでています。
15年にわたって長期政権を敷いてきたハシナ氏はなぜ、辞任に追い込まれたのでしょうか。
防衛大学校 伊藤融 教授
「強権的なハシナ政権に対する国民の怒りが爆発して、結局、ハシナ氏は退陣せざるを得なくなったっていうことですよね」
デモの発端は公務員採用をめぐる抗議でしたが、バングラデシュではその前から、野党支持者らが拘束されるなどの弾圧が相次いでいて、政権への不満はくすぶっていました。
こうしたなか、治安部隊との激しい衝突で、先月以降、死者は300人を超えたとみられ、若者らの怒りは頂点に達しました。
現地で働く日本人はJNNの取材に対し、一部で暴動が続いている状況に不安を口にします。
現地で働く日本人
「銃声が聞こえて、本当に銃の音がするとか、あと(車を)燃やしたりしていたので、しばらくどうなるんだっていう不安を抱えるような現状になっています」
一方で、インドとの関係が良好だったハシナ政権から、イスラム主義が強い野党側に政権が移ることになれば、南アジアのバランスが変わる可能性もあると専門家は指摘します。
防衛大学校 伊藤融 教授
「(与党は)比較的、西側(諸国)に近くて、日本とかインドにも融和的な、友好的な政党だった。この地域でいわゆるイスラム主義がまた強まるということになれば、地政学的に見たときにパキスタンや中国の影響力が強まる」
現地メディアは、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が中心となる暫定政権がきょうにも発足する見通しだと伝えていて、政権運営の行方が注目されます。
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