現場を取材した際にも、宙に浮く小石はまだそこにありました。

よく見るとこれはクモの糸で、ぶら下がっていて石の上をたどるとクモの糸の網がありました。


多田さんは14年前にも同じような光景を撮影しました。
2010年8月に遠野市宮守町の民家で撮影した写真です。

やはり小石がクモの糸でぶら下がっています。

今回の現象について、節足動物に詳しい県立博物館館の渡辺修二主任学芸員は
「コガネグモ科の仲間のオニグモの仕業ではないかと思われます。オニグモは体長1センチ、足も入れれば4センチほどの比較的大型のクモです。オニグモは網を張る際に、上部2点と下部1点に支点をとり、その支点を足場に横糸、縦糸を張っていきますが、張りを調整する段階で、下の支点にした小石が持ち上がったのではないかと考えられます」と話していました。

なお、渡辺さんは「クモは夜にエサを待ち受けて捕食し、朝になると物陰に姿を隠します。網を修復する際、壊れた網は自ら食べてリサイクルするそうです。これもSDGsですね」と付け加えていました。