■侵略から半年 専門家は・・・
井上キャスター:
この先ウクライナはどうなるのでしょうか?

笹川平和財団 主任研究員 畔蒜泰助氏:
「アメリカなどの支援が大きく、ウクライナが善戦したのは想定外。首都キーウが陥落し、12月には停戦と考えていたが、長期化の可能性も。」

慶應義塾大学 廣瀬陽子教授:
「ウクライナ全土への侵攻は研究からは予想できなかった。プーチン氏の目的が分からない、終わりが見えない戦いに・・・」
ホラン千秋キャスター:
廣瀬さんの分析によれば、プーチン氏の目的がわからないとしていますが、ゴールがわからなくてでもプーチン氏に見えているものなのか、それともプーチン氏自体も目的がわからなくなってしまっているのか。どう見ればいいんでしょうか?

明海大学 小谷哲男教授:
研究をしている専門が何かによっても分析が変わってくると思いますが、廣瀬先生はロシアが専門で、私の場合はアメリカが専門ですので、やや見方が違うところがあります。アメリカあるいはその軍事的に見れば、プーチン大統領の目的というのははっきりしていて、ウクライナをロシアの一部にするということです。ただ、この半年で、ほぼその目的は、達成できていませんので、そういう意味ではかなり長期化が続くということは間違いないと思います。

ホランキャスター:
ロシアが侵略した地域の地図を見た際に、ロシアの支配を広めている地域の範囲というのはこの数か月、そこまで広がっていないのかなと見受けられたんですけれども、現在ロシアはかなり行き詰まっているような状況なのでしょうか?
小谷教授:
行き詰まっていると見て間違いないと思います。ロシアが目指していたのは、キーウを短期間で陥落させて、そして東部、さらには南部をロシアに編入するということでした。しかしキーウを陥落させることができず、ウクライナ軍がそのまま正規軍として残っています。また市民の抵抗も激しく、東部ではルハンシクまでは落とすことができましたが、ドネツクはまだまだ進軍が進んでいません。おそらくこのまま膠着状態に入ってくると思います。
さらに、南部で言えばウクライナ軍の反撃が現在始まりだしているので、ロシアの思い通りには全く進んでいないと言っていいかと思います。
ホランキャスター:
ロシアとしてはどれだけ長期化したとしても、できるところまでやるだけやるというような気持ちなんでしょうか?
小谷教授:
当初の目的は今から達成することはほぼ不可能だというふうに思うので、プーチン大統領としてはメンツを保つ状態で何らかの成果を上げ、自分たちの特別軍事作戦を達成したと言える環境がいつ出来上がるのかが、今後の注目点だと思います。
ホランキャスター:
成果達成が何になるのかというのがわからないような状況になってきているとは思うんですが、それに巻き込まれる市民の皆さんの命であったり生活を考えると、本当に苦しいですよね。

食べチョク代表 秋元里奈さん:
侵攻開始から今数ヶ月経ってもやっぱりそうした苦しい状況がずっと現地では続いてるっていうのは、すごい心苦しいですし、こうしてる間にもう毎日で亡くなってる方もいらっしゃるので、早く終わってほしいなと。
経済制裁とかの影響もまだあまりなく、ロシアの国内の支持率の高い状態がどこまで本当かわからない中で、今後支持率などの数字がどう動いていくのかっていうのはすごく気になります。半年だから経済制裁の影響があまり出てないのか、一方で、経済制裁が1年など長期化していくと、影響は強く出てくるのかすごく気になってます。
ホランキャスター:
小谷さん経済制裁の影響についてはいかがでしょうか?
小谷教授:
経済制裁は効果が現れるのに時間がかかります。まだ半年なので、1年、2年という単位で考えていくべきだと思います。ただ、この経済制裁は間違いなくロシアの軍事産業には影響を与え始めていて、武器の修理であったり、新たにその武器弾薬を作るということが難しくなっています。
ロシアとしても長期間、この状態を続けるということは、難しくなっていくだろうというふうに言えます。














